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【プロ野球】

中田翔 ついにプロ初HR

2010年7月21日 紙面から

日本ハム−ロッテ 5回裏、左翼へソロ本塁打を放ちガッツポーズで一塁に走り出す中田翔=札幌ドームで

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◆日本ハム12−6ロッテ

 高校野球たけなわの季節が、怪物の本能を呼び起こしたのか。日本ハムの中田がプロ初本塁打をかけたのはやはり、暑い夏だった。入団3年目での初アーチが飛び出したのは5回。直球に狙いを定めると、5球目を一気に振り抜いた。打球は弾丸ライナーで左翼席へ。頭は真っ白になった。

 「すごくうれしいのひと言。鳥肌がたってすごかった」とお立ち台で明かした中田。「高校のとは比べものにならないくらいうれしい。うれしすぎて、泣くどころじゃなかった。外野オーバーもできなかった自分なんで…」。試合後も喜びが込み上げていた。

 91打席目の初本塁打。ここまでの悔しさがこもっていた。今年は左ひざ半月板を損傷し、5月に手術。「自分自身に腹が立った」という中田。2カ月間のリハビリで、自分を見つめ直した。

 気付いたのは1本打っただけで満足していた甘い自分。一からの出直しを誓い、映像をすりきれるほど見た。「考え方もフォームも変わった。リハビリがあったから今の自分がいる」。その到着点は「高校時代によく打っていた」という原点の弾丸ライナーだった。

 記念のボールは雌伏の時を支えた母親の香織さんに贈る。でも、中田にとっては初本塁打は通過点。第一歩を記したに過ぎない。「打った次が大切です」と中田。北の大地で踏み出した本塁打ロード。歩みは始まったばかりだ。

  (川越亮太)

 

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