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きょうのコラム「時鐘」 2010年7月22日
美人スパイ、あるいは工作員。これだけでマスコミは飛びつく。つい先日は米ソ冷戦時代を思わす事件が紙面を賑わせた
が、ロシアの女スパイは目立ち過ぎで、素人の茶番だとの声もあった。折も折、米に亡命中のロシアの元大物スパイ(53)がフロリダで急死したとの記事も重なった。やはり、米ロ2国間には今も裏があると思わせるような記事だった 2年前、北朝鮮の女スパイがソウルで逮捕されたのも記憶に新しい。韓国に亡命中の黄元朝鮮労働党書記の暗殺を命令されていたが果たせず、逆に消されるのを恐れてアパートに隠れていたという。こちらは茶番ではなかった 北朝鮮元工作員、大韓航空機爆破事件の金賢姫元死刑囚が来日し、拉致被害者家族と面会した。解決の手掛かりはないようだが、経緯から考えればそれも無理からぬ。民主党政権が自民党との違いを見せつけるための超法規的な来日である 冷戦時のようにスパイや工作員が暗躍する時代ではない。が、政治利用はできる。国際紛争がある限り、人の心に疑心暗鬼が生ずる限り、スパイは姿形を変えて存在し続けるに違いない。 |