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金元工作員 横田夫妻と面会 拉致被害者「見たことある」
20日に来日した大韓航空機事件の実行犯、金(キム)賢姫(ヒヨンヒ)元工作員(48)が21日、拉致被害者の田口八重子さん=拉致当時(22)=の家族と再度面会、拉致被害者や特定失踪(しつそう)者の何人かを「見たことがある」と伝えた。同日夕には、横田めぐみさん=同(13)=の両親らと面会した。
田口さんの長男、飯塚耕一郎さん(33)と兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(72)ら家族は、20日に続いて金元工作員が滞在する長野県軽井沢町の鳩山由紀夫前首相の別荘で面会し、昼食をともにした。
面会後に記者会見した耕一郎さんによると、耕一郎さんは昨年3月の韓国・釜山での初対面で、拉致被害者や拉致の可能性がある特定失踪者ら約270人の写真を載せたポスターなどの資料を金元工作員に託していた。21日、それを見た結果を聞いたところ、金元工作員は何人か「見たことがある」「見た気がする人物がいる」と答えた。詳細については「日本の警察に話している」とし、明かさなかったという。
めぐみさんの父、滋さん(77)と母、早紀江さん(74)、双子の弟は21日夕、金元工作員がいる別荘に入った。約3時間40分にわたって夕食をともにしながら、北朝鮮でめぐみさんと会った状況を伝えた。詳しい内容は22日、滋さんらが記者会見し、明らかにする。
金元工作員は1981〜83年、平壌郊外の招待所で田口さんと生活。同時期にめぐみさんは近くの招待所で同僚の女工作員と同居し、日本語を教えさせられており、「同僚工作員の招待所を行き来しているときにめぐみさんと会った」と証言。「両親にすべて話したい」と語っていた。
金元工作員は23日まで日本に滞在。22日朝には東京に移り、ほかの拉致被害者家族らと面会する。また、「旅行がしたい」との金元工作員の希望からヘリコプターを使った遊覧飛行も計画されている。