千葉県八千代市の私立秀明八千代中学・高校で、英語担当の教師が、授業中に生徒が解答ミスを重ねると、人が首をつっている姿を連想させる絵を黒板に描いていたことが、複数の生徒や卒業生の証言で分かった。同校では08年に校内で生徒が首つり自殺しているが、その後も続いていたという。亡くなった生徒の両親は「こうした指導は問題だ」と憤っている。【伊藤一郎】
複数の生徒や卒業生の証言によると、英語を受け持つ外国人教師は、生徒が質問に答えられなかったり、間違った解答をした際、黒板に線や円を1本ずつ描き、ミスが続くと首つりを連想させる絵を完成させる行為を少なくとも07年から続けていた。
◇遺品の教材プリントにも
一方、08年11月に校庭の木に首をつって自殺した中学3年の男子生徒(当時15歳)の両親によると、遺品である教材のプリントにも首つりを連想させる絵が描かれていた。通夜の際に両親が友人に見せたところ「英語の授業で先生が描いていた絵に似ている」と話したという。
卒業生の一人は「ゲーム感覚のブラックジョークと受け止めて問題ないと考えていたが、自殺者が出たことを考えると好ましいことではなかったと思う」と語った。別の生徒は「(生徒が自殺した後の)09年も行われていた」と話した。
自殺の動機は不明で、教師の絵や学校側の指導との因果関係も分かっていないが、両親は生徒が学校に提出した学習記録に「自殺サイトにいる人たちと話がはずむ」と記載していたのに、学校側が適切な対応をしなかったとして、約8400万円の賠償を求める訴訟を千葉地裁に起こしている。
両親は「冗談だとしても教育現場でこうした指導が行われていること自体が問題だと思う。息子の自殺後も続いていたとしたらショックだ」と話した。
取材に対し、同校は代理人弁護士を通じて「訴訟に関連することでもあり回答を控えたい」とした。