岐阜県各務原市で2008年9月、交通トラブルがきっかけで殴り合いになった男性(当時48)を死なせたとして傷害致死罪に問われた元派遣社員青木一将被告(22)の控訴審で、名古屋高裁は21日、一審・岐阜地裁の無罪判決を破棄し、懲役4年の判決を言い渡した。一審判決は被告の正当防衛を認めたが、下山保男裁判長は被告のボクシングの実力などを踏まえ、過剰な防衛だったと判断した。
控訴審判決によると、青木被告は08年9月13日午後11時50分ごろ、同市の市道交差点でバイクを運転中、横断歩道の男性とぶつかりそうになったことで殴り合いとなった。男性に顔面を1回殴打された後、青木被告は男性の顔面を数回殴打。脳挫傷の傷害を負わせ、翌日死亡させた。
一審判決は「被告に格闘技の素養があったとは言えず、一方的な攻撃ではなかった」として正当防衛を認めた。
一方、控訴審判決は、青木被告のボクシングの実力について「もう少し実践練習を積めばプロテストを受けられるレベルだった」と判断し、「顔面の急所である下あごに少なくとも2回命中させるなど、ほぼ一方的かつ圧倒的な攻撃で、量的、質的にも過剰だった」と認定。殴打行為と致命傷となった脳挫傷との因果関係がある、と結論づけた。
一審判決は「たまたま転倒につながったというべきで、脳挫傷は、殴打行為で直接生じた傷害ではない」との判断を示していた。(志村英司)