明豊 明豊が学校創立3年目のスピード甲子園初勝利を、今大会最多安打最多得点の記録的な大勝で飾った。14―0となった8回1死三塁で小玉孝監督(56)が出したサインはスクイズ。「最後まで何が起こるか分からんことを選手に知ってもらいたかった」。6回まで10点差が開いてからも8、9回で5得点ずつ追加した。
別府大付時代だった4年前、野球部監督に就任して以来、ほとんど毎日、打撃投手を務めてきた。50歳を超える高年齢と、気温30度を超える猛暑の中でも、フリー打撃でヘルメットをかぶって投げ続けた。そんな姿に、選手が甲子園での猛打でこたえた。
この日6打数5安打と猛威を振るった鮎川は「打ち過ぎです。甲子園が自分の庭みたいに感じた。甲子園には魔物がいるといわれるが、きょう(11日)は天使がいました」と白い歯を見せた。【浦田由紀夫】
■ダイエー城島健司捕手
「初戦突破、おめでとうございます。20点はすごいですよね。新しいユニホームを見てみたかったけど、見逃してしまったので、次の試合を楽しみにしています」
(写真=1回裏聖光学院無死一塁、打者歌川の送りバントがフライとなり捕手黒仁田がダイビングキャッチするも惜しくも落球)
ミラクル終了
聖光学院 明豊の打線の前に、3投手が撃沈。今大会最多の26安打を浴び、福島県勢としてもワーストの20失点を喫した。斎藤智也監督(38)は「投手は投げるところがなくなっていた。心中察して余りある」と目を潤ませた。「不動心」を合言葉に気持ちの野球で県大会ではミラクル勝利を続けてきたが、これで福島県勢としても7年連続甲子園初戦敗退。全国1勝の壁は厚かった。
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