県警最多163人処分 自ら隊書類ねつ造
2004/12/02

 兵庫県警自動車警ら隊(自ら隊)の隊員らによる捜査書類ねつ造事件で、県警は一日、自転車盗事件などの処理過程で、摘発実績を上げようと虚偽の書類を作成、検察庁や家庭裁判所に送致するなどしていたとして、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いなどで元隊員十三人を書類送検。中心的にかかわった巡査部長(44)を懲戒免職としたのをはじめ、当時地域部長だった警視正や、自ら隊長を務めた警視三人を含め、一つの不祥事では県警史上最多の計百六十三人を処分した。

 免職となった巡査部長は在宅起訴される公算が大きいとみられる。

 一連の不正は昨年十二月に自ら隊阪神方面隊で発覚。今年一月、県警が内部調査に乗り出し、二〇〇二年一月―〇四年七月までの捜査報告書など約一万件の関係書類を調べるとともに、元隊員らから事情を聴いていた。県警の相浦勇二警務部長は記者会見で「誠に遺憾で県民の皆さんに大変申し訳なく思う」と陳謝。不正が以前から続いていたことを認めたが、「現場の隊員の間で広がり、警部以上の上司は気付かなかった」とし、組織ぐるみの不正を否定した。

 処分の内訳は懲戒が二十八人。免職の巡査部長以外に、別の巡査部長(34)が停職三カ月で六人が同一カ月。前隊長の警視(57)ら十八人が減給。元隊長二人は戒告だった。本部長・所属長訓戒、注意は百三十五人。

 調べでは、書類送検された十三人は、成人事件に適用する「微罪処分手続書」と少年事件用の「簡易報告書」に架空の被害者名を記入。名前に合わせた認印を使い書類をねつ造し、占有離脱物横領罪での摘発が成立するように装うなどした疑い。書類は警察署から検察庁などに送られていた。

 虚偽書類を送致した事件は十八件。所有者不明の自転車の処理に困って、同僚に譲渡した元隊員もおり、業務上横領容疑で書類送検された。

 このほか、自ら隊の内部報告用書類ねつ造に百三十二人が関与していたことが判明。警察署の摘発事件を、自ら隊が摘発したように装う▽過去の書類の日付を書き換える―などの手口で約二百十件の虚偽報告書を作成していた。内部調査中も同様の不正は続き、三十八件で四十人の関与が確認された。

・特集「県警捜査書類ねつ造

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