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民間種牛6頭を殺処分 宮崎・高鍋町の移動制限を解除

2010年7月18日0時5分

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 家畜の伝染病、口蹄疫(こうていえき)の問題で、ワクチン接種地域で最後まで残っていた宮崎県高鍋町の畜産農家、薦田(こもだ)長久(ながひさ)さん(72)の種牛6頭が17日、県によって殺処分され、埋却された。種牛の農場の防疫作業も終わり、農場から半径10キロ内に残された家畜などの移動制限は18日午前0時に解除された。地元では、公共施設の再開などの動きも始まった。

 種牛の殺処分は、農場から数キロ離れた共同埋却地で行われた。薦田さんは、トラックに載せられて自宅兼農場から出発する種牛たちに「私たちの生活を支えてくれてありがとう」と声をかけたという。作業にあたる県職員には、種牛の運命を心配した県外の人から6頭それぞれに贈られたお守りや、花束、酒を、「種牛たちに手向けてほしい」と託し、深々と頭を下げた。

 薦田さんは6頭の搬出を家族と見送った後、取材に応じ、声を詰まらせながら、「牛は全部いなくなった。体力的にもう私は牛を養えないが、今後は研究してきたことを若い人に伝えたい」と語った。この日、薦田さんを訪ねた政府の現地対策本部長の篠原孝農林水産副大臣には「これからは官民分け隔て無く畜産振興に取り組めるようにしてほしい」と求めたという。

 県内に残る移動・搬出制限区域(発生農場から半径10キロ内・10〜20キロ内)は宮崎市の発生農場を中心とするもののみとなり、新たな発生がなければ27日に全面解除される。

 制限解除とともに、県民に不要不急の外出などの自粛を求めた「非常事態宣言」の対象からも外れる。薦田さんの農場がある高鍋町では、閉館していた図書館などの公共施設は17日から再開された。町立高鍋図書館の担当者は「皆さん、待ち望んでいたという感じ。喜んでもらえて良かった」と話した。(松井望美)

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