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150年前の対局再現

 1860年。明治維新より8年前です。アメリカの古都フィラデルフィアで日本のサムライが将棋を指しました。
 咸臨丸の随行員ということです。当時の写真がありNYタイムズに載っていたのを発見した。その記事によると、サムライがチェスクラブに呼ばれて日本の将棋を披露したとのことです。下級随行員の山田馬次郎、佐野鼎の両名が写真にバッチリ写っていますから、アメリカの人達も興味があったのでしょう。JAPANの将棋はチェスと違って相手の駒を使うのが珍しく、チェスよりも奥行きが深いようだと記してあります。

 1860年6月15日か16日か。これを先ず統一したい。時差の関係があって一日違いますので、今のうちにこの記念すべき日を決めておきたいと思います。
 次に幕末の両名の出身地、藩名などを調べられますでしょうか。どなたか詳しく突き止めた方がいらっしゃいましたらご一報下さい。謝礼は色紙一枚他です。

 2010年6月16日。フィラデルフィアのチェスクラブにて、これを縁に対局が再現されました。チェスクラブには30名の選手とニューヨークから7人の日本人が駆けつけた。和服で指していますが、二本差しも差していたかどうかまでは不明。
 これを契機に日本の将棋熱も沸騰。来年の全米選手権はフィラデルフィアで行うことが内定したようです。
 何か面白いことになってきました。アイディア募集中です。

 情報提供はニューヨーク支部長、林稔さんです。

 追記 佐藤鼎は佐野鼎の誤りでした。 (6月22日)


開運!なんでも鑑定団

 今週放映の番組に将棋盤と駒が出展されました。駒の値段が2000万円。恐らくは史上最高値の駒でしょう。
 この盤と駒については将棋世界の2008年9月号に特集として出ています。何しろ15代将軍足利義昭が注文を出し、水無瀬兼成が作成した象牙の駒ですから、値段はいくらか素人の私には見当もつきません。
 
 問題は将棋盤の鑑定にありました。テレビでは50万円也。じょうだんでしょう。この盤は国宝級のもので特に金細工は人間国宝クラスの職人でも再生不可かというくらいのものと信じています。
 将棋界の至宝です。三つ葉葵の金細工は素人には平凡、まがい物と見られてしまいそうなものではあります。しかし、これは日本の美術界史上稀にみる素晴らしいものの筈です。
 当然日本将棋連盟としてはテレビ東京へ申し出ました。

 なんでも鑑定団は私も出演したこともある楽しい長寿番組です。
意外な高値に歓喜する人。
まさかの大安値にガックリ肩を落とす人。
 この番組の最も大事なことは鑑定の値段と理由が正しいことです。
 しかるに今回の盤の判定はどうしても解せぬ。やはり鑑定はプロ中のプロにしてもらうことです。私は今回のテレビを観て、なんでも鑑定団の値段を決めたものが、将棋盤同様にいい加減なものと思ってしまう自分が怖い。本当に怖い。
 専門家の判定にお任せしたいと思います。続編は又。


開運!なんでも鑑定団(二)

 先週のつづきです。関係者の紳士的な話し合いによる決着を強く望んでおります。
 社団法人日本将棋連盟からテレビ東京へ発したものは次の通りです。
○鑑定した人物は資格はあるんでしょうか。これが今回のポイントの全てです。この一点が最大のポイントですね。
○この番組の良い処は紳助さん、石坂さん、中島誠之助さんなどなど他人の悪口を言わず、ほのかな暖かみが伝わってくる人物の人ばかりがいることで長寿番組になっている筈。鑑定人は自説を通そうとする余り、疑問を呈した人物には人格攻撃をしている。それをを止めさせてほしい。
○テレビ東京が判定者になるのであれば、鑑定人の放送上のこととブログでの誤りはそのまま局の責任にもなります。鑑定人はブログで写真入りの項を削除しましたが、そのまま元へ戻しても結構です。当方達で再掲しても良いです。
○何点か疑問がある。これが各説ありて云々ということで皆で笑って終了にしたいというのが本意です。

 社団法人とテレビ局との話し合いの前に、鑑定人とテレビ局とが話し合いをして「鑑定結果は白」なる勝利宣言をしました。これは放送倫理上許されないことです。テレビ東京は鑑定人にこの点をきつく申し入れて頂きたい。
 質問には真摯に応じ、一方に肩入れは良くありません。
 テレビ東京が鑑定人に示したものと、鑑定人がブログで出したものとは大分違うと信じたいし信じています。久方振りに「有名なブログ」を読みました。
 以上の事実を踏まえて来週ですね。
開運!なんでも鑑定団(三)

 その昔、「竅iえい)」という雑誌がありました。この本にも駒や盤のことが詳しく載っていました。テレビなどで説明するときには副教本として携えて出演するという人もいるようです。

 2年前、「将棋世界」に掲載された盤と駒につきましては、私もはっきりしておかないといけません。といいますのは、会長が5ページに亘っての特集にゴーサインを出す責任があるからです。
 今回は盤と駒箱についてお話ししましょう。
 とてつもない盤駒です。盤と駒箱は素人の私には全く鑑定できないけれども、その通の人に聴いた話を再現します。
 まがいものであれば掲載そのものに問題が生じるから私も関心があります。盤の回りはうるしを塗っては乾かし、塗っては乾かしするのだそうです。いろいろ説明されて、「これはとてつもなく素晴らしいもの」ということでしたので掲載に踏み切ったのでした。

「ところで、将棋盤の足一本だけを百万円で注文するとどうしますか」と私。
「お受けしません。とても私にはその値段では引き受けられません」と一人。
「お受けします」と一人。
 意見が違うではないか。「良心の問題です。先生が出来上がったふたつを見比べる眼を持っていれば引き受けませんが、恐らくは分からないと思いますので引き受けます。しかし、同じレベルの品を作ったか自分の良心に聞け、と言われるとお断りします」
 要するに私は「なんでも鑑定団」の鑑定人は務まらないということじゃね。


今回のテレビ放映は『紋のつけかえはされているのかいないのか』
 この一点は大変重要です。やっぱりこのようなことは問題になるんですかね。プロの目からするとドえらいことらしいのです。
 今回のテレビ放映でもここが焦点になっていますが、結局鑑定がプロかアマかの差はここに絞られているんですね。
 知ったかぶりをすると結局恥をかきます。うるしの上塗りは大事ですが、恥の上塗りだけは避けたいものです。しかし間違いと知っていて、公共のテレビや新聞に出したケースはどうなるんでしょうかね。知らない間違いではなく、知っていて承知の上の場合ですけどね。

開運!なんでも鑑定団(四)

テレビ東京へ抗議
本日(7月12日)現在、貴局はホームページ上で重大な誤りを訂正しておりません。
「家紋を変えてしまっている」と書いてあります。
「家紋を変えていなければ1000万円から1500万円なのに、変えたので50万円」とあります。
私は変えてないと申し上げているのです。この一点が争点です。
駒の注文主の説明もこのままで大丈夫でしょうか。
更には放映が全国的にあちらこちらで今現在もなされています。間違いを承知の上での放映ですね。

このままですと困ったなぁ。

開運!なんでも鑑定団(五)

 それにしても葵の御紋の蒔絵の将棋盤は素晴らしいです。今年の秋の将棋の日に因んで、この将棋盤がテレビで放映される予定です。
 開催地は名古屋で徳川幕府開府400年祭の一環としてです。事前収録で放映日は別です。
 徳川家にまつわる名品を紹介する。日本将棋連盟は天下の名盤と断言します。紋所を変えたかどうかはどちらかの見立て違いなのでしょう。
 変えていなければ1000万円から1500万円とか。私としては値段は分かりませんが、「変えていない」事実に基づいて堂々と紹介します。

 但し、テレビ東京にはその旨お伝えして、あとはテレビ局のご判断です。付け替えたので50万円なのか、そのままなので1000万円以上なのか。争点はたったこれだけのことなのです。
 鑑定結果をブログで公開したり削除したり、又公開したりということは致しません。付け替えが頻繁にされれば将棋盤もブログも確かに値打ちや信用が下がるものではありますね。
 こんなことをしていたら「嘘つき上手爺さん」などと言われるんでしょうね。

 盤外のブログでの争いは全く関係ありません。これが将棋盤や駒の声でしょう。立派な盤にいわれのない難クセをつけられたので、私も口を差し挟みました。
 秋の将棋の日を含めたシリーズは楽しい催事を考えています。