ファイル共有ソフト「ビットトレント(Bit Torrent)」を使用しテレビ番組を無断でネット上に配信したとして、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターは20日、埼玉県久喜市栗橋中央2、無職、田仲修一郎容疑者(31)を著作権法違反(公衆送信権の侵害)容疑で逮捕したと発表した。警視庁によると、ビットトレントを使った同法違反の摘発は全国初という。
逮捕容疑は6月4~9日、テレビ朝日が放送した「『ぷっ』すま」や日本テレビとNHKの計3番組の動画を各放送局に無許可で、不特定多数がダウンロードできる状態にしたとしている。
警視庁によると、田仲容疑者は「番組を見逃した人のためにやった。ウィニーなどはウイルス感染の危険性があるので、警察が捜査していないとされていたビットトレントを利用した」と供述しているという。警視庁は田仲容疑者が2~7月に165番組を違法配信していたとみて調べる。
ビットトレントは、分割して送信されたファイルを利用者同士で交換して完成させる仕組みで、閲覧希望者が多いファイルほど高速ダウンロードできる。01年に米国のプログラマーが開発し、米国や中国など海外で普及しているという。ファイル送信者のIPアドレスがダウンロード画面に表示されるため、匿名性は高くないとされる。【町田徳丈】
毎日新聞 2010年7月20日 11時27分(最終更新 7月20日 14時16分)