【社説】なぜハンナラ党でセクハラ発言が続くのか
与党ハンナラ党は20日の党倫理委員会で、最近大学生に対して「セクハラ」「性差別」発言を行ったとして問題となった康容碩(カン・ヨンソク)議員の除名を決めた。康議員は今月16日、第2回国会議長杯大学生討論会に参加した大学生20人余りと夕食を共にしたが、その席でアナウンサー志望の女子学生に対し、「(アナウンサーになりたければ)すべてをささげる覚悟がいるが、それができるか」と発言したという。また昨年、大統領府を訪問した女子学生に、「男は(かわいい女の子が好きという点では)みんな同じだ。大統領はあなたのことばかり見つめていた。隣にご夫人がいなければ、あなたの携帯電話番号を調べていただろう」と述べたことも報じられた。
康議員は同日行われた会見で、「虚偽の報道であり、歪曲(わいきょく)だ」と述べ、報道内容を全面的に否定した。今回のハンナラ党倫理委員会での除名処分が、同党の議員総会でも同じように可決されれば、康議員は議員としての身分は維持できるが、今後5年間はハンナラ党の党籍を持つことができない。
マスコミで報じられた内容が正しければ、康議員は国会議員としての基本的な資質どころか、現代社会を生きる韓国の国民として持つべき基本的な素養さえないことになる。通常の集会でも、成人ならセクハラと誤解されるような話はすべきでない。また、それが常識となったのは随分前のことだ。しかし康議員は、これまでどこで生活してきたのか疑われるほど、これらの基本的な常識さえ持ち合わせていなかった。それも、国会が主催する討論会に参加した学生たちを激励し、彼らとの一体感を造成すべき席でのことだ。また、自らのセクハラ発言に大統領まで登場させたのだから、問題のレベルも度を過ぎている。
ハンナラ党がこの問題をいつまでも引き延ばすことなく、除名処分を直ちに決めたのは適切な対応だ。今後ハンナラ党は、党内でなぜセクハラ関連の問題が相次ぐのかをしっかりと反省し、根本的な対策を立てなければならない。ハンナラ党は過去にも同じような不適切発言で問題を起こしたことがあるが、その度に「厳罰に処する」としながら、時間が過ぎるといつの間にかあいまいになっていた。これでは問題を根本から解決することなどできない。
康議員も、「政治生命を懸ける」と潔白を主張しているだけに、自らの発言に対する責任は自ら負うべきだろう。