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【科学】

<人には聞けない>『はやぶさ』飛行距離どう計算

2010年7月19日

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<Q> 小惑星イトカワから帰った探査機「はやぶさ」の飛行距離は六十億キロといいますが、どう計算するの? (名古屋市中村区・男性)

<A> 宇宙航空研究開発機構の吉川真准教授に尋ねました。地球や太陽や銀河は、すべて宇宙空間を動いています。どこを基準にするかで移動距離は大きく異なり、六十億キロは太陽を基準にした値です。

 イトカワは地球と火星の間を回っています。直線で行くと膨大な燃料がいるため、はやぶさは最初に地球とほぼ同じ軌道を一周して勢いをつけ、イトカワに向かう軌道に入りました。その後はイトカワとほぼ同じ軌道を四周し、地球の軌道に近づいたとき帰還しました。地球とイトカワの軌道を円として「一周+四周」分の長さを足すと六十億キロなのです。

 ただ、この間に地球は太陽を七周し、はやぶさを上回る六十六億キロを“飛行”しています。吉川准教授は「直線的に動く車と違い、探査機の飛行距離にはあまり意味がない」と話しています。

 

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