きょうのコラム「時鐘」 2010年7月21日

 ゲリラ豪雨の不安が去ったら猛暑の到来。熱中症による犠牲者も出た。度が過ぎる季節の変わり目である

「言うまいと思えどきょうの暑さかな」が続く。暑いと文句を言ったところで、どうにもならない。逆に不快さが募る。それでもつい口に出してしまう

子どものころ、「暑いと言うたらバツや」というたあいもない遊びをした。頭をたたくか、ほおをつねる程度のバツである。2、3度バツに興じただけで、すぐに遊びに飽きた。暑いを禁句にする方が、どだい無理な話である

不意打ちの豪雨に続き、熱中症による悲報が届く。なぜもっと穏やかな日々が訪れないのだろう。「地球に優しい暮らしを」という大合唱が広がった途端、皮肉な仕打ちのような天候異変である。環境対策が不十分だと、天は怒っているのか。言葉とは裏腹に環境破壊が進むことに対する警告か

地球に優しい暮らしなど、どだい無理な話ではなかろうか。美しいせりふと大言壮語は、紙一重である。「聞くまいと思えどきょうも『地球に優しい』かな」の日々である。ほらを吹くだけなら、天も機嫌を損ねるに違いない。