茨城県内の飲食店から現金が盗まれた事件で、事件とは無関係の日系ペルー人の男性が逮捕され、20日間にわたって、こう留されていたことがわかりました。警察は、捜査に誤りがあったとして15日、男性に謝罪しました。
神奈川県に住む、日系3世のペルー人、イチノセ・アキラさん(41)は、去年9月、茨城県阿見町の飲食店から現金が盗まれた事件にかかわったとして、ことし1月、突然、逮捕され、20日間、警察署にこう留されましたが、証拠が不十分だとして釈放されました。相談を受けた弁護士が抗議して、あらためて捜査が行われた結果、去年12月、千葉県内で別の盗みの疑いで逮捕された男が茨城県の事件について犯行を自供したということです。警察によりますと、店のレジにイチノセさんの指紋が付いていたことを理由に逮捕したということですが、イチノセさんは一時、このレジを製造する工場で働いていて、その後の捜査で作業中に指紋が付いたことがわかったということです。15日に男性と面会した茨城県警察本部の幹部ら4人は、イチノセさんに向かって頭を深々と下げ、「申し訳ありませんでした」と謝罪したということです。謝罪を受けたあと、記者会見したイチノセさんは「警察では『おまえは泥棒だろう』と自白するように、かなり強く言われました。釈放されたあとも、また逮捕されるのではないかと不安でした」と話していました。事件とは無関係の男性を逮捕したことについて、茨城県警察本部は記者会見し、男性に直接、会って謝罪したことや男性が逮捕後、一貫して容疑を否認していたことなどを明らかにしました。そのうえで宮下昌史刑事総務課長は「関係者の皆さまにご迷惑をおかけしました。今後、証拠を数多く集め、より慎重に吟味し誤認逮捕とならないよう再発防止に取り組んでいきたい」と述べました。