遺体の死因を究明し犯罪を見逃さないようにするため警察庁の研究会は警察が扱う、すべての遺体の薬物検査を行うことや検視に立ちあう専門の医師を置くべきだとする中間報告をまとめました。
警察庁によりますと、警察が当初は自殺や事故と判断し、殺人や傷害致死などの犯罪を見逃していたケースは平成10年以降で39件に上っています。警察庁は、去年も同様のケースが全国で相次いだことを受けて、ことし1月、研究会を設け法医学や法律の専門家などが6回にわたって議論を重ね、このほど中間報告を取りまとめました。それによりますと、現在は捜査上、必要な場合にかぎって行われている遺体の薬物検査を警察が扱う、すべての遺体で実施し睡眠導入剤や覚せい剤などが検出されないかどうか調べるべきだとしています。また、遺体の検視に立ち会い、警察官に助言を行う医師は講習を受けて認定された専門の医師とするよう求めています。さらに現在は10%の遺体の解剖率を5年後をめどに20%まで引き上げることも必要だとしています。警察庁は、今後、厚生労働省などの関係省庁とも協議して解剖に当たる医師の増員や施設の拡充などを検討していくことにしています。