大韓航空機爆破事件の実行犯、キム・ヒョンヒ元死刑囚が、拉致被害者の家族らと面会するため20日初めて来日し、政府が滞在先として用意した長野県内の別荘に到着しました。
キム・ヒョンヒ元死刑囚は、20日午前4時に政府のチャーター機で羽田空港に到着しました。白いジャケットにサングラスをかけたキム元死刑囚は、警備関係者が傘を差すなどして取り囲むなか、チャーター機を降り、足早に政府が用意した車に乗り込みました。そして午前7時すぎ、長野県軽井沢町にある鳩山前総理大臣の別荘に到着しました。警備上の理由などから政府が滞在先として選んだということです。大韓航空機爆破事件の実行犯のキム元死刑囚は、北朝鮮で拉致被害者の田口八重子さんから日本語を教わっていたことがわかっていて、去年、13年ぶりに公の場に姿を現し、韓国で八重子さんの家族と初めて面会しました。その後、日本政府に対して、拉致被害者の横田めぐみさんとも会っていたことを証言し、「めぐみさんの両親に知っている情報を直接伝えたい」という意向を示したことから、来日に向け日韓両政府が調整を進めてきました。キム元死刑囚が韓国から海外に出るのは、爆破事件で逮捕されて以降初めてです。キム元死刑囚は、23日までの4日間日本に滞在し、20日は田口八重子さんの家族と再び面会して滞在先でいっしょに過ごす予定です。また、21日は横田めぐみさんの家族と初めて会うことになっており、めぐみさんについて新たな証言が得られるのか注目されます。