大韓航空機爆破事件の実行犯、キム・ヒョンヒ元死刑囚が20日、初めて来日し、政府が滞在先として用意した長野県内の別荘で、午後から拉致被害者の田口八重子さんの家族らと面会することになっています。
キム・ヒョンヒ元死刑囚は、20日午前4時に政府のチャーター機で羽田空港に到着しました。その後、政府が用意した車に乗り、警備車両に先導されて午前7時すぎ、長野県軽井沢町にある鳩山前総理大臣の別荘に入りました。警備上の理由などから、政府が滞在先として選んだということです。キム元死刑囚は、敷地内にある建物の1つに入り、2階の部屋で休息をとっているものとみられます。キム元死刑囚が韓国から海外に出るのは、大韓航空機爆破事件で逮捕されて以降、初めてで、23日までの4日間、日本に滞在します。20日午後には、北朝鮮でキム元死刑囚に日本語を教えていた拉致被害者の田口八重子さんの家族が滞在先を訪れる予定で、去年3月、韓国で初めて対面して以来、2度目の面会をして、いっしょに過ごすことになっています。拉致問題を担当する中井国家公安委員長も20日午後、面会に訪れる予定です。また、21日には、横田めぐみさんの家族と初めて会うことになっています。キム元死刑囚は日本政府の聞き取りに対して、めぐみさんとも会っていたと証言しており、「めぐみさんの両親に知っていることを直接伝えたい」と話していたことから、めぐみさんについて新たな証言が得られるのか注目されます。