520人が犠牲になった日航ジャンボ機の墜落事故から25年になるのを前に、日本航空の若い社員が事故の教訓を学ぶ安全研修が、羽田空港で行われました。
この取り組みは、日本航空が事故の教訓を語り継いでいこうと行っているもので、20日は日本航空グループの整備や運航部門などの社員16人が参加しました。ほとんどが事故のあとに入社した社員で、中には事故の翌年に生まれた人もいます。はじめに、羽田空港内に展示されている墜落した機体の残がいや、犠牲者の遺品を見て回りました。このあと、当時のニュースの映像で、9歳の男の子を1人で事故機に乗せた両親が墜落現場の群馬県の山に登り、「男の子の名前を何度も何度も呼んで、『ごめんね。いっしょにうちに帰ろうね』と呼びかけました」と話す姿が映し出されると、若い職員たちは、じっと見入っていました。事故から25年がたち、日本航空の社員は4人に3人が事故のあとに入社した世代で、今回の研修では講師も全員が事故のあとに入社した社員が務めました。事故のあとに生まれたグループ会社の整備部の木場大輔さん(24)は「わたしが想像できないほどの事故ですが、自分が安全を守っていくことが、ご遺族に対する答えになるので、自分にできることを一日一日頑張ります」と話していました。研修に参加した社員たちは21日、墜落現場の群馬県の御巣鷹の尾根に登ることにしています。