(CNN) エイズ治療薬を含んだゼリーを女性が性交時に使えばHIV(エイズウイルス)感染防止効果が期待できるという研究結果が、オーストリアの首都ウィーンで開かれた国際エイズ会議で発表された。
南アフリカのエイズ研究所CAPRISAは、ウイルスの増殖を防ぐ抗レトロウイルス薬テノフォビルを含んだゼリーを開発。このゼリーは性交前と後の12時間以内に女性器に塗って使用する。研究チームはHIVに感染していない同国の18歳から40歳の女性900人を対象に、テノフォビル入りのゼリーを使ったグループと偽薬を使ったグループを比較して、効果や安全性を検証した。
2年半にわたる調査の結果、HIV感染を1年後で50%、30カ月後で39%減らせる効果があったという。特に、ゼリーを毎回使った女性の感染は54%減少した。さらに、性器ヘルペスの感染も51%の減少が確認された。
抗レトロウイルスを使った薬剤の本格的な研究結果が発表されるのは初めて。まだ実用化の段階には至っていないが、ある専門家は「世界の女性のHIV感染防止を支援する新たな手段が近いうちに登場するかもしれない」と評価している。