パチンコ・パチスロは大衆遊技
法律上、パチンコ・パチスロは大衆遊戯機であり、全国に乱立する遊技場(ホール)はゲームセンターと同様のカテゴリーである。
では何故パチンコ・パチスロは一般的にギャンブルと認識されているのだろうか。それは3点方式という極めてグレーな商取引が介在しているからである。
パチンコ・パチスロは出玉を、ホールが用意した景品と交換できるわけだが、出玉を獲得したプレイヤーのほとんどが、特殊景品(都道府県によって景品は異なる)と呼ばれるものに交換する。
特殊景品は、近隣・或いはホールの敷地内にある古美術商(いわゆる質屋)で買い取ってもらうことができ、現金化できる。
このからくりにより、パチンコ・パチスロはギャンブルと呼ばれているのだ
不幸な事件・事故が後を絶たない
事実上のギャンブルであるパチンコ・パチスロ。先に挙げた古美術商が襲撃されるなどセンセーショナルな事件は滅多に起こらないものの、
駐車場で車内に子供を置き去りにし、熱中症を引き起こして…
パチンコをするカネ欲しさに引ったくり…
多重債務に陥り自己破産…
このような事例は比較的頻繁に耳にする。社会全体から見れば大きな事件ではないのかもしれないが、当事者にしてみれば、人生を棒に振るか否かの重要な局面である。
今現在それほどの深みに嵌っていなくても、パチンコ・パチスロを頻繁に打つ人、時間があればホールに足を運ぶという人は、今のうちにやめる術を知っておいたほうが身のためである。人生を台無しにする前に、パチンコ・パチスロから脱出してみてはいかがだろうか。
重症度によって対処法は異なる
ギャンブルは一様にそうであることが多いが、やめようと決めたときにライトユーザーとヘビーユーザーでは対処法が異なる。
ライトかヘビーか… それは単純に足を運ぶ回数ではなく、どれだけの時間を費やすか、どこまで投資するかが重要なファクターとなる。あなたが、遊ぶ金額を決めて、それ以上は何があっても使わない。或いは週単位・月単位でどこまで使ってよいかを決め、その額が尽きたらそのクールでは打たない。
つまり計画的にパチンコ・パチスロと付き合っているならばライトユーザーであると言え、このような人は、いとも容易くやめられるだろう。なんなら、あえてやめる必要もないのかもしれない。
問題となるのはヘビーユーザーで、以下のような人が当てはまる。
持っている現金は全て使うまでやめられない
プレイ中に現金がなくなると銀行へ引き出しに行く
生活費など必要なお金に手を付ける
何らかの形で現金を借りる(知り合い・消費者金融など)
では、これらヘビーユーザーがパチンコ・パチスロをやめるにはどうしたらいいのだろう。『やめる』という単語に当てはまるかどうか明確でないが、ヘビーユーザーの行き着く先は、次のようなケースが多いということを認識していただきたい。
新たなギャンブルに嵌り、パチンコ・パチスロから遠のく
プレイ代が捻出できず、物理的にパチンコ・パチスロを打てなくなる
自己破産し生活そのものが破綻する
ヘビーユーザーの多くは、パチンコ・パチスロが好き… もはやこの概念を通り越して、ギャンブル依存症なのである。正式な疾病として認められないこの病気の詳細は避けるが、パチンコ・パチスロで大当たりを引くと、脳内にβエンドルフィンというモルヒネと同じ効果をもたらす物質が分泌されるのだそうだ。つまり、薬物依存患者と同じで、ヘビーユーザーの多くは、個人では如何ともしがたい状況に陥っているのである。ここまで嵌るプレイヤーの多くは『やめる』のではなく、やめざるを得ない状況に陥る可能性が極めて高く、同時に社会的地位や社会的信用をも失う人が圧倒的に多いのだ。そのような悲劇的な結果を招かぬよう、一刻も早く手を打つべきだろう。
まとめ 究極のやめ方
前述の通り、嵌ってしまったプレイヤーは薬物依存と同じような状況であるため、有効となる手段は、精神神経科、心療内科でのメンタルヘルスケアである。最も効果が得られるのは、入院してパチンコ・パチスロから物理的に遠ざかることだが、通院でも一定の効果は得られるだろう。
第3者に自分が置かれている状況や自分の思いを理解してもらいつつ正しい方向に導いてもらう、この行為が何より必要なのだ。これを成せるのであれば、医療機関に限らず、家族や恋人でも良い。しかし、万全を期するなら専門医に相談するのが良いだろう。
対象となる本人がここまで決心できれば、8割方パチンコ・パチスロから抜け出せたといっても過言ではない。要するに、大事なのは破綻する前に人生を取り戻すこと、真剣に向き合うことなのだ。
エピローグ
最後に、やめる・やめないに関わらず、パチンコ・パチスロを打っている人に必ず守っていただきたいことを提唱したい。それは、収入源を決して断たないこと…つまりパチプロ・スロプロには絶対にならないでいただきたい。
アルバイトでも何でもかまわない、月単位で一定の収入を得続けることが人生を破綻させない唯一無二の条件である。これを守ってさえいれば、仮に困窮しても復活することは可能であるし、労働によって社会と繋がっていることで何かしらの助け舟が出ることも考えられる。
今現在、パチンコ・パチスロに嵌っている人は決して忘れないでいただきたい。