小沢“不可解行動”の釣果は、多数の報道陣に嫌気? 

2010.07.20


政権交代前の2006年8月、東京・三宅島でともに海釣りを楽しんだ菅氏(左)と小沢氏(中)、鳩山由紀夫氏。こんな仲の良い時代もあった【拡大】

 “雲隠れ”していた民主党の小沢一郎前幹事長(68)が10日ぶりに姿を現した。都心から約290キロ離れた東京・八丈島を18日夕方に突然訪れたのだ。ところが、ホテルに1泊しただけで翌日朝には島を出たという。民主党政局のキーマンである剛腕政治家の不可解な行動は一体…。

 「健在で『自分はまだまだやれる』という姿をカメラに撮らせるためだったのか?」

 小沢氏と距離がある民主党中堅はこう訝しがる。

 参院選で大敗を喫し、参院で与党過半数割れに転落した民主党。政権運営の危機といえるが、菅直人首相(63)にパージされた小沢氏は選挙戦終盤の8日に石川県に姿を見せて以来、完全に姿を消していた。

 菅首相は選挙後、「小沢さんにお会いして、おわびしたい」などと面会を求めたが、小沢氏は「静養中」(周辺)と称して雲隠れ。このため、永田町では「海外に行ったのか?」「都内のホテルでは?」「実は、持病の治療で入院している」などと、さまざまな噂が飛び交っていた。

 こうした中、小沢氏が久しぶりに姿を現したのが八丈島。数年前、趣味の海釣り仲間に誘われて出かけて以来、「羽田から飛行機で約45分という近さなのに、魚の種類が豊富で型(=大きさ)もいい」と、すっかりファンになり、時々出かけていた場所だ。

 小沢氏周辺は「プライベートで海釣りに出かけたのだろう。小沢氏は猛烈に仕事をするが、休むときはスパッと休む。普段から『釣りは日常を忘れられるからいい』『気分転換には最高だ』と話している。ところが、報道陣が多数待ち構えていたので、『首相の面会要請を拒否しておいて…』と批判されるのを嫌って、引き返したのだろう」と語る。

 永田町の今後の焦点は、菅首相が9月の民主党代表選で再選できるか、否か。そして、小沢氏がどう動くかだ。

 参院選で大敗した菅首相への風当たりは強く、実力者の小沢氏に対して代表選で対抗馬擁立を求める声や、衆参ねじれの解消に向けた多数派工作を期待する向きは強い。ただ、小沢氏としては「政治とカネ」の問題を抱えており、大胆に動けないジレンマもある。

 気分転換ができなかった小沢氏の戦略に、変化はあるのか。

 

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