宇陀市の自宅敷地内に母親の遺体を埋めたとして死体遺棄罪に問われた同市室生区黒岩、三男で無職の上浪保弘被告(50)の初公判が8日、奈良地裁(野路正典裁判官)であり、上浪被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は「供養もせず、死者への配慮がなく悪質だ」として懲役2年を求刑。弁護側は「心底から反省している」として執行猶予を求めて結審した。判決は8月12日。
検察側の冒頭陳述によると、上浪被告は06年6月ごろに失職し、母サゾヱさんの年金などで生活。貯金通帳と印鑑を管理し、生活費やパチンコ代に使っていた。被告人質問で、上浪被告は「1日も早く就職して、(母の死後に受給した)年金を返したい」と述べた。
起訴状によると、上浪被告は昨年8月10日ごろ、母サゾヱさんの遺体をビニール袋に入れ、自宅敷地内に穴を掘って埋めたとされる。【高瀬浩平】
毎日新聞 2010年7月9日 地方版