入札妨害で会社社長らを逮捕　弘道会系事務所を家宅捜索　警視庁

　競売前の現況調査で虚偽の賃貸契約書を提出したとして、警視庁組織犯罪対策４課などは１２日、競売入札妨害の疑いで、不動産会社「コウシュン」社長、尾中伸弘容疑者（６３）＝東京都目黒区中目黒＝ら７人を逮捕した。同社は指定暴力団山口組弘道会系組のフロント企業とみられ、組対４課は同日、東京都新宿区の弘道会系組事務所など約２０カ所を家宅捜索した。

　同課の調べによると、尾中容疑者らは２１年７〜９月、競売申し立てがあった東京都港区赤坂の雑居ビルについて、東京地裁執行官の現況調査の際、実際は賃貸契約がないにもかかわらず複数の部屋を借りているよう偽った賃貸契約書を提出し、公正な入札を妨害した疑いが持たれている。

　入札は今年６月に行われ、弘道会のフロント企業とみられる別の経営コンサルタント会社（東京都中央区）が約３億円で落札していた。同課は尾中容疑者らが競売の価格を下げたうえで、ビルの所有権を得ようとしたとみて調べている。