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記者ノート:「無償化」の誤解

 遺児らに奨学金を貸与している「あしなが育英会」は、毎年春と秋の街頭募金などで支えられている。街頭で募金を呼びかけるのは奨学生やボランティアの高校生たち。しかし、高校授業料の「無償化」の誤解で「もう必要ないんでしょ?」と言われるケースが多くなっている。

 福岡県の久留米大3年、茶木萌美さん(20)もそんな言葉を受けた一人。中3の時に父親が脳内出血で右半身不随になり、高校から同会の奨学金を受けている。教科書、部活動、修学旅行--。「授業料が無償になっても、それ以外に必要なお金はいっぱいあるんです」。誤解を解くために街頭で必死に訴える。

 茶木さんは奨学金で大学に進学できた。感謝の気持ちから奨学生の意識調査にも携わってきた。「家計を助けるため」と高卒後にやむなく就職の道を選んだ後輩たちも少なくない。「本当は大学に行きたかった」と涙まじりに本音をもらす姿を何度も見てきた。現実を知ってほしい。茶木さんら奨学生の共通の思いだ。【三木陽介】

毎日新聞 2010年7月17日 東京朝刊

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