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高級ホテル サービス拡充…セントレジス大阪開業に対抗

ランチ半額、全面改装…幅広い層利用期待

開業に向けて準備中のセントレジスホテル大阪(大阪市中央区で)

 大阪市内の高級ホテルが、ビジネスマンやOLの利用を増やすため、値頃感のあるランチを始めたり、大規模な改装をしたりと、サービスを強化している。ホテルの最高級ブランドとして知られる「セントレジスホテル」がビジネス街の大阪・本町に10月に開業するなど、欧米の高級ホテルの進出が続くためだ。富裕層や外国人客が奪われるのを防ごうと、迎え撃つホテルは対応を急いでいる。

(永田毅)
新ランチは新たな需要を掘り起こせるか(大阪市北区のザ・リッツ・カールトン大阪で)

 大阪・梅田の外資系高級ホテル、ザ・リッツ・カールトン大阪(北区)は新ランチ「ビジネスエクスプレスランチ」を6月に始めた。価格は1300円と、同ホテルでそれまで最も安かったランチの半額にした。OLらが昼休みに食べ終われるよう、適度な速さで配膳(はいぜん)し、1日数十組が利用するという。

 ザ・リッツ・カールトン大阪は1997年の開業以来、高級感を前面に打ち出してきたが、5月に就任したベルナール・ヴィオラ総支配人は「富裕層だけでなく、幅広い層に利用してもらいたい」と話す。

 一方、スイスホテル南海大阪(中央区)は今秋から3年間で総額5億円以上をかけて初の全面改装をする。対象は全548室の半数以上、最上階のレストラン、ロビーに及ぶ。ウェスティンホテル大阪(北区)も2008年から改装を始め、12年までに終える予定だ。

 リーガロイヤルホテル大阪(北区)は6月から世界的なホテルグループの予約システムに加わった。外国人観光客らの利用を増やす狙いがある。

 こうした動きの背景には、セントレジスなど外資系高級ホテルの大阪進出がある。

 セントレジスは世界的なホテルチェーン、米スターウッドホテル&リゾートの最高級ブランドで、1室の最低宿泊料金は6万3000円程度と、これまで市内最高のザ・リッツ・カールトンを約4割上回る。客の身の回りの世話をするバトラー(執事)を配置するなど、「利用客の期待をこえるサービスを提供する」(ブランド責任者のポール・ジェームズ氏)という。

 12年度にはJR大阪駅北側の梅田北ヤードに、英インターコンチネンタル・ホテルズ・グループが進出する計画もある。

 業界関係者には「セントレジスの進出でホテルの選択肢が広がり、新たな需要が生まれる」とする見方がある。ただ、ライバル各社にとって、高価格帯の部屋は利幅が大きく、客を奪われると死活問題になりかねない。各社のサービス拡充の動きは今後も続きそうだ。

2010年7月19日  読売新聞)

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