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乳児遺棄致死、手かざしで治ると信じた両親に執行猶予福岡市東区に総本部を置く宗教法人「新健康協会」の職員夫婦が病気の長男(当時7か月)を医師に診せずに死亡させた事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた同区の高月秀雄(32)、妻邦子(31)両被告の裁判員裁判の判決が16日、福岡地裁であった。林秀文裁判長は「2人は協会が『浄霊』と呼ぶ手かざしで治ると信じており、自分なりに深い愛情を持って救命に努力していた」として、それぞれ懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役6年)の有罪判決を言い渡した。 判決によると、2人は皮膚炎の長男を病院に連れて行かず、手かざしを行っただけで容体を悪化させ、昨年10月9日に死亡させた。 林裁判長は「長男がわずか7か月で生涯を終えたのは悲惨で重大」としながらも、2人には愛情があったとして「いわゆる育児放棄とは異なる事案」と認定。長男を放置した事実の発覚を恐れて医師に診せなかった、とした検察側の主張を退けた。 事件の背景には「医療を受けないよう奨励する協会での、閉鎖的な生活があった」と説明。「更生には第三者の保護司の助言、指導を受けるのが適切」とし、最後に「協会以外の人との触れ合いを大切にして、もっと広い視野を持ってほしい」と語りかけた。 (2010年7月17日 読売新聞)
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