パソベッツこじま 大動物診療部 in 川南町
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現在の川南町
金曜日・土曜日頃から各種公共施設が再開しているようです。
図書館で調べものをしたい、という意見も聞かれる中、町民にとっては明るいニュースでしょう。

消毒ポイントは日に日に少なくなっています。(主要道路はもちろんまだ気を抜いてません。)
非常事態宣言の解除とともにでしょう。町内から感受性動物がほぼいなくなって既に半月過ぎました。
この辺りは検証の手段もなく、いつまでやるかというのは難しい問題だと思います。
個人的には慎重すぎるくらい慎重に、と思いますが。

16日(確か)には自衛隊の撤収式が行われたようです。
自衛隊員の周りにはいつも爽やかな風が吹き、うちの子供も「かっこいいお兄さんたち」と親近感を持っていました。
穴掘りや消毒は慣れない作業だったと思いますが、彼らのきびきびとした行動には見習うべき点が多くありました。
長きに渡って当地に駐屯し、町民を助けてくださったこと、心から感謝します。

異様だった役場の雰囲気は柔らかくなりましたが、対策本部が縮小されていく状況には不安もあります。
国の対策本部の大部分引き上げも然り。もう少しいてほしいんですけど・・・

堆肥の問題。まだ完了していません。
先週は牛舎周辺に青年部員が集まっているのを見かけました。
行政指導のもと堆肥の処理が進んでいるものと推測していましたが、生産者負担になっているという話もきいています。少し確認中ですが、清浄性検査の方にも人員が割かれているでしょうから、ひょっとすると手がまわっていないのか。
国がやるべきところ、県がやるべきところ、各自治体がやるべきところ、私からみてもあいまいでよく分かりません。その煽りを受けて、結局生産者の責任となりませんように。
堆肥処理、清浄性検査ともに早急に終わらせなければならない問題ですから、手が足りていない状況であるならヘルプを出してもいいのではないかと思います。

農家さんの話を聞くと、堆肥の問題もあるし、まだまだ自由に行動できない状態にあるようです。仲間とは電話で連絡をとりあい、集まることを避けているとのこと。
皆さん表面的には明るく振舞います。宮崎の人らしいなー。
しかしとある農家さんと深くお話したときには、「社会に出るのが不安」とおっしゃっていました。同業者であれば少しずつ心のうちを話せると。でも一般の方とはどのように話したらよいのか・・・話しても心底の共感は得られないのではないか・・・
心の傷は確実に存在すると感じました。
また、生産者の中にはすぐにでも始めたいという意見がある中、本当に始めても大丈夫なのだろうかという不安も農家さん自身お持ちになっています。
その反面、早く動物に触りたい。慣れ親しんだ仕事。することもないのに朝早く目が覚め、本能的に何でもいいからやりたいという声をよく聞きます。
再開前に、少なくとも生物学的な検証が行われるべきと思います。
生産者の間には本当にいろいろな意見があるので、ここは行政主導で感受性の高い豚を用いたおとり畜の導入が実施されることを強く望みます。

先日ある肥育農家さんのお話を聞く機会がありました。
当ブログでも取り上げた宮崎県の種牛造成事情、事業団に一括されるようになった経緯を簡単に教えてもらいました。夫は知っていたようですが、私は初耳でした。
古い時代に不正というか事件というか、精液管理の不手際があり、繁殖農家の納得も得て事業団だけでちゃんとやりましょう、という話になったとのことです。
種雄牛造成のトピックであらましを説明してくださるコメントがありましたが、詳しく聞いてなるほど、合点がいきました。
何より、私は今まで農家さんと事業団の話をするなんていうことすらなかったので、このような話題について直接話し合えることが本当にうれしかったです。
都農町で口蹄疫1例目が発生し、間をおかずに川南町でも発生が発覚したとき、私たちはすでに高鍋町の事業団を射程範囲におく、というか危機を感じました。
これは町内の農家さんも同様だったようで、早い時期に種牛の救済を求めたようです。
県がどの段階で種牛の移動を考え始めたのか定かではありませんが、申請後国から許可をもらうまでに相当の時間を費やしたということも聞かれます。
県有種牛移動の報を知ったとき、正直私は「動かしたらダメでしょ・・・」と思いました。事業団もいつ飲み込まれてもおかしくない状況でした。
この特例は自分の中でずっと尾を引き、あれはダメだった、ダメだったとしか思っていませんでしたが、この肥育農家さんとお話して少し気が変わりました。
結果論ではありますが、残された種牛が本当に彼らにとって希望の1つになっていることが理解できたからです。
今後万一口蹄疫の発生があったとして、同じ状況で同じような移動の話が出れば、種牛であっても私はやはり反対です。
しかし、今回の件で農水省の要人から「種牛保護の新ルール」の言葉が出たことは、問答無用の全頭殺処分から一歩進むことができた、と言えるかもしれません。
本気で考えるのであれば、自治体ごとに前もってどれに絞って残すのかを検討しておく必要があると思います。民間が入り混じっているところはなおさらです。
そして検査体制の整備なくしてはこれは実現できないと思います。スピードと徹底検査は絶対に欠かせないファクターでしょう。間違っても感染源とならないことが前提です。
種豚であればどうでしょう?
動物を移動させずに種を保存する方法も含めて、議論が活発になるといいですね。
いろいろと検討された結果、やはり例外はなしにしましょうとなるのも1つの結論です。
簡単に諦めないで、日本独自のやり方を模索するのが大事ではないでしょうか。

(クミコ記)

# by pathovets | 2010-07-20 00:37 | Trackback | Comments(15)

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