●1週間で400字原稿用紙23枚分
国と宮崎県が「特例は認めない」「いや救済だ」とスッタモンダしていた民間種牛6頭の殺処分問題は、“場外乱闘”がますますヒートアップしている。種牛の所有者が16日、処分の受け入れに転じたことで一件落着かと思いきや、とんでもなかった。
腹の虫が治まらない東国原知事は、この日もマスコミの前で山田農相をネチネチと批判。「最悪ですね。この国にはガッカリしました。とくに大臣にはガッカリしました。どのツラを下げて来られるのか。どこまでKYなのか」と、もう言いたい放題なのである。
これを聞いた山田農相もムッとして、「どういうお気持ちで、そうおっしゃったのか」とやり返すなど、バトルは激化の一途だ。ただ、この問題をめぐっては、東国原知事にマユをひそめる県民も多い。大ヒンシュクなのが知事のブログだ。
一部を抜粋しよう。
〈前農水相が「国に責任がある」と言って辞任されたとき、どうして副大臣だった方(山田農水相)も一蓮托生・連帯責任でお辞めにならなかったのか〉(7月10日)
〈急遽、農水相と会談をさせて頂いた。農水省に呼ばれたのだ。(中略)どうしても話があるのなら、宮崎にお越し頂ければいいのに〉(13日)
〈民主党の中には優秀で骨があり、知識・良識・見識豊かな人材が沢山いらっしゃるのに、よりによって何であの方が大臣なのだろう〉(15日)
こんな調子で書きも書いたり、1週間で400字詰め原稿用紙23枚以上も書いている。16日のブログでもさっそく、〈移動制限解除や復興支援を人質とした農水相のやり方は姑息で卑劣〉と大臣批判を繰り返した。県政関係者が言う。
「国のやり方に意見するのはいいが、毎日のようにパソコンに向かい、何時間もかけて日記を書くヒマはないはずです。それでなくても、知事は県外出張中に口蹄疫が再発し、批判を浴びたばかり。今回は県も“口蹄疫隠し”の疑いが報じられる大失態があった。知事はパフォーマンスはほどほどにして、どっしりと腰を据えて県政に取り組むべきですよ」
チャラチャラTVに出たり、国政に転じようとしたり、腰の据わらない知事が何を言っても説得力がないのだ。
(日刊ゲンダイ2010年7月17日掲載)