文化
震災で知った歌の力 河本直樹さん1周年ライブ
震災をきっかけにプロ歌手に転身した河本さん=神戸市東灘区御影中町1(撮影・田中靖浩) |
阪神・淡路大震災を機に歌手に転身し、昨年メジャーデビューした河本直樹さん(56)=神戸市東灘区=が4月18日、拠点とする神戸でデビュー1周年記念ライブを開く。神戸市須磨区で被災後、カラオケ教室を開き、被災した住民らを勇気づけてきた。河本さんは「困難にぶつかったときに支えになるような歌を歌いたい」と張り切る。(上杉順子)
神奈川県出身だが、神戸で長く暮らし、高校時代から20代初めまで音楽活動にのめり込んだ。しかし「親を安心させたい」と会社勤務を経て、震災前に独立。神戸で情報処理会社を構えた。
ところが、軌道に乗りかけたところで震災に遭う。同市須磨区の事務所兼自宅は半壊。混乱の中で資金回収ができなくなったこともあり、会社をたたんだ。
命が助かったことで「やりたいことをやろう」と決心。老人ホームやカラオケ喫茶などでボランティア同様のカラオケ教室を始めた。生徒は家族を亡くしたり、家を失ったりした人たち。「もうくよくよしたないねん。歌ってすっきりしたい。上手な歌い方、教えてな」。そんな言葉に、逆に励まされた。
「川の流れのように」「上を向いて歩こう」‐。求められた歌を教えると、皆、歌いながら涙を流したという。「本当の感動があり『歌はすごいものだ』と分かった」
震災の翌年、テレビ番組の歌謡選手権で準優勝し、自費で歌手デビューした。来生たかおさんのコンサートで出会ったプロデューサー酒井政利さんに見込まれ、昨年3月、来生さん作曲「恋せども愛せども」でメジャーデビューした。
遅咲きのスタートを切った河本さんは「歌は人を変える。震災のとき、心を癒やしてもらった。お客さんにもそう感じてもらいたい」と話す。
ライブは同市中央区波止場町の上屋劇場で午前11時開演。食事付きで4500円から。残席わずかという。オフィス歌物語TEL078・857・3383
(2010/03/30 15:45)
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