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<年金記録>サラリーマンの妻 45万人実態とズレ

7月20日2時33分配信 毎日新聞

 サラリーマンの妻などが加入する国民年金の第3号被保険者制度を巡り、配偶者が会社を退職して資格を失ったのに3号のままとなっているなど年金記録が実態と食い違う人が推計約45万人に達することが、日本年金機構の調査で分かった。届け出が必要なことを知らない人が少なくないためとみられ、払うべき国民年金保険料が未納だったり、年金の受給額が本来より多くなっている人が多数に上る可能性が高い。「宙に浮いた年金」などと同様、実態とのずれが放置されてきた膨大な記録の存在が浮かんだ。【野倉恵】

 ◇厚労省 未納保険料請求へ

 厚生労働省は、こうした加入者の未納保険料について、時効とならない過去2年分の支払いを求める方針を決めた。今秋以後、該当者に通知する。一方、受給者については混乱回避のため、多く払われた年金の返還や、今後の年金額の変更につながる記録の訂正は求めない方針。

 3号被保険者は、扶養者である配偶者が会社員や公務員を辞めて厚生、共済年金から抜ける場合、3号の資格が失われるため国民年金第1号に加入する届けが必要。離婚した場合も同様だ。届け出漏れの存在は制度発足時(86年度)から指摘されてきた。

 日本年金機構は今年1月、3号の加入者や受給者について、オンラインデータ上で調査。配偶者の記録と照合したところ、配偶者の厚生年金の加入期間と食い違いのあった人が103万人に上った。

 この中には近く届ける予定の人も含まれるため、約2カ月後に100人を抽出して調査したところ、届けがされて加入期間のズレが解消されるなど問題のなかった人が56人いたが、44人はそのままだった。このうち13人は年金を既に受給していた。全体では受給者が約13万人、加入者が約32万人の計約45万人が食い違ったままと推計され、年金額に影響する恐れがある。

 離婚した人については、届け出ないと年金のオンラインデータに反映されないため、実際には届け出漏れの人がさらに多い可能性が高い。

 3号制度を巡っては、扶養者の退職時に知らされず、本人が届け出の義務に気づかない場合も多く、制度の不備も指摘される。厚労省は「最近では、受給申請時などに配偶者の記録と照合し、矛盾があれば日本年金機構が職権で訂正している。矛盾の全容はわからない」としている。

 【ことば】国民年金の第3号被保険者

 厚生年金や共済年金に加入する会社員や公務員の配偶者は、自ら保険料を払わなくても国民年金に加入しているとみなし、年金額にも反映される。保険料は配偶者の厚生年金や共済組合から拠出されるため、正確な届け出と加入記録への反映が制度の前提。3号に該当しながら記録が空白になっている届け出漏れの例も多いとされる。

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最終更新:7月20日2時33分

毎日新聞

 

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