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「核なき日まで警鐘を」=元乗組員「自分で見たい」―カルテ写し・第五福竜丸

2010年7月20日3時1分

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 「核兵器がなくなる日まで、警鐘を鳴らし続けて」―。広島・長崎の悲劇後に起きた第五福竜丸問題。米国の水爆実験で被ばくした元乗組員16人分のカルテの写しの存在が、新たに確認された。「もう繰り返さないで」。オバマ米大統領が核兵器廃絶を目指す中、元乗組員や専門家からは「核なき世界」を求める声が改めて上がった。

 「当然あると思っていた」。第五福竜丸の元冷凍士大石又七さん(76)=東京都大田区=は冷静に受け止める。16人分の写しには、当時の国立東京第一病院(現・国立国際医療研究センター)に入院した大石さんの分もあった。

 大石さん自身も、肝硬変から肝がんを発症した。「ぜひカルテを見て、自分の体に何が起きたか知りたい。仲間は残り少ない。悲劇を繰り返さないためにも、検査結果をきちんと公表してほしい」と訴えた。

 第五福竜丸の展示施設を運営する第五福竜丸平和協会(東京都江東区)の安田和也事務局長(57)は「元乗組員の被ばくと健康問題の関係が改めて分かるインパクトのある資料」とした上で、「専門家を交え、時間をかけてカルテの中身を検討してほしい」と話した。

 被ばく問題に詳しい医師は「この問題の象徴的存在だった元無線長の久保山愛吉さん以外は診療記録が詳しく伝えられておらず、貴重な記録。核兵器がなくなるその日まで、カルテには人類に対して警鐘を鳴らし続けてほしい」と話す。 

[時事通信社]

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