「大相撲名古屋場所8日目」(18日、愛知県体育館)
横綱白鵬が時天空を上手投げで下し、無傷の8連勝で勝ち越しを決めた。ストレート給金は通算14度目で、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降では、初代若乃花、輪島と並ぶ歴代5位。初場所から続く連勝は『40』となり、史上4人目の大台に到達した。大関琴欧洲が鶴竜との全勝対決に敗れ、初黒星。鶴竜は自身初のストレート給金を果たした。豊真将も勝ち越しを決め、3人が全勝でターンした。
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ペースを乱された白鵬が、冷や汗ものの勝利で40連勝を飾った。時天空が制限時間前から立つしぐさを見せ、横綱に揺さぶりをかける。「落ち着いて時間いっぱいで立とうと考えました」と冷静さを心がけ、制限時間いっぱいで立つ。
鋭く踏み込んで右四つに組み止め、巻き替えて右上手投げで体勢を崩す。再び巻き替えると、今度は左上手投げで強引に仕留めにかかる。粘る時天空に投げを打ち返され、もつれ合いながら土俵下にダイブ。観客がかたずをのんで見守る中、行司の軍配は東方、白鵬に上がった。
報道陣から「ヒヤッとしましたね」と声をかけられ、「う〜ん…でも(相手が)先に左手をつくのが分かったんで」と苦笑い。連勝記録を史上4人目の大台に乗せた一番を「(記録の)意識があったんじゃないかな」と振り返り、「区切りの『40』をいい相撲で飾れた。改めて一番一番の大切さを感じましたね」と大きく息をついた。
肝を冷やしたことで、後半戦に向けて気が引き締まった。3場所連続でストレート給金を果たし、「今まではストレートでホッとするが、(今場所は)最後まで千秋楽までやり遂げる」ときっぱり。年6場所制となった1958年以降では初となる3場所連続全勝優勝を見据え、残り7番に全神経を注ぐ構えだ。
全勝ターンは通算14度目で、初代若乃花と輪島に並ぶ歴代5位となった。「(記録は)いろいろ教えてくださいね」と笑顔。元横綱朝青龍が2月に引退し、ライバル不在の場所が続く中で、偉大な大横綱たちの記録をモチベーションに変えている。次なる目標は史上3位の連勝記録、大鵬の45連勝だ。