口蹄疫:ワクチンの接種開始 家畜15万頭を対象に

2010年5月22日 11時25分 更新:5月22日 22時18分

保冷ケースに入れられて車両に運び込まれる口蹄疫のワクチン=宮崎市佐土原町の宮崎家畜保健衛生所で2010年5月22日午前9時37分、加古信志撮影
保冷ケースに入れられて車両に運び込まれる口蹄疫のワクチン=宮崎市佐土原町の宮崎家畜保健衛生所で2010年5月22日午前9時37分、加古信志撮影

 家畜伝染病の口蹄疫が広がっている宮崎県央部で22日、発生農家から半径10キロの移動制限区域の家畜に対するワクチン接種が始まった。健康な牛や豚にワクチンを接種して感染拡大を遅らせたうえで、殺処分する。国内で口蹄疫対策としてワクチンが使われるのは初めて。

 接種対象は、県央部の発生地と周辺の計3市5町の移動制限区域で約15万頭。県は対象農家の同意を得たうえで、外縁部から中心部へ向かうように接種を進める。県は「3、4日で終わらせたい」としている。

 接種作業に従事するのは、感染リスクを減らすため、新たに県外から宮崎入りした獣医師27人と補助員40人、さらに案内役の地元住民で構成する27チーム。ワクチンは午前9時半、宮崎市の宮崎家畜保健衛生所を出発。午後1時ごろから高鍋町などで接種が始まった。

 感染力の強い豚を優先する方針で、この日は2万2096頭にワクチンを接種した。東国原英夫知事は木城町の対象養豚農家の一つを訪ねた後、県庁で記者団に「犠牲になり畜産を守るという責任感があり、気丈に振る舞われていた。ここで封じ込めるのだという強い意思に救われた」と述べた。

 対象となる農家への国の補償策などについて地元の首長らは21日夜、受け入れを決めた。【石田宗久、小原擁】

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