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原油流出止まるも予断許さず (1/2ページ)

2010.7.16 20:22

 【ワシントン=渡辺浩生】米南部メキシコ湾の原油流出事故で、英メジャー(国際石油資本)BPは15日、海底の油井からの流出が止まったことを確認した。油井に新たに取り付けたふたが機能したたためで、4月20日の石油掘削施設の爆発事故以来、流出が止まったのは初めて。ただ、原油の噴出を根本から完全に食い止めるまでなお、予断を許さない。

 水深1500メートルの海底にある油井の封じ込め作戦は、これまで試行錯誤の連続だった。BPは5月末、油井に大量の泥水を流し込む「トップ・キル」作戦を試みたが、3日間で失敗。6月に、破損したパイプにドーム形のふたを取り付けチューブを差し込み、海上のタンカーで油を吸い上げてきた。だが、油井とのすき間から原油が漏れ続け、回収量も限られていた。

 このためBPは12日、高さ約5・5メートル、重さ約75トンの密閉性が高い筒状の新たなふたに取り換えた。ふたには、油の流出をコントロールできるバルブ(開閉弁)が3カ所ある。

 BPはふたの密閉性を確認する試験に14日夜から着手した後、ふたの1カ所で漏れが見つかったため、試験を中断して修理し、15日午後にバルブを閉める作業を開始した。

 この結果、米東部時間15日午後3時25分(日本時間16日午前4時25分)、水中ロボットが3つ目のバルブを閉め終わった直後、流出が止まった。事故発生から「85日と16時間25分」(AP通信)が経過していた。その瞬間、BPの作戦司令室では拍手がわき起こった。BPのウェルズ上級副社長は「海中で原油が見えないのはうれしいが、感情は抑えようと思う」と気を引き締めた。

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