裁判員制度:530人に判決、無期懲役は8人…開始1年

2010年5月21日 1時55分 更新:5月21日 8時40分

 国民が重大事件の審理に参加する裁判員制度が始まって21日で1年。最高検は20日、同日までに裁判員裁判で530人に判決が言い渡されたと発表した。今後、7月末までの2カ月余で約360件の審理が終わる予定を明らかにし、「『裁判の滞留』は解消に向かいつつある」との認識を示した。

 裁判員裁判を巡っては、争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きに時間がかかり、裁判開始が遅れる傾向にあると指摘されていた。

 最高検によると、判決が出た530人はすべて有罪。強盗殺人未遂罪での起訴が強盗致傷罪と認定されるなど、3人は起訴より軽い罪名が適用された。取り調べの一部を録画したDVDは3件の公判で上映された。最も重い量刑は無期懲役で8人。実刑は437人、執行猶予判決は93人で、執行猶予のうち57%の53人に保護観察が付いた。判決に対する検察側控訴はゼロ。

 最高検は1月以降、証拠開示や主張書面提出を迅速にするよう地・高検に指示。会見した藤田昇三・裁判員公判部長は「毎月約150件の審理を行えるよう努力を続ける。核心に迫る捜査や、公判での尋問技術向上にも努める」と語った。

 一方、20日までに対象事件で起訴されたのは延べ1881人。地検・支部別の最多は千葉の175人、罪名別(未遂を含む)の最多は強盗致傷の465人だった。【北村和巳】

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