口蹄疫:「補償内容が不透明」地元自治体が難色

2010年5月20日 20時58分 更新:5月20日 21時13分

 宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、政府が県央部の感染確認農場から10キロ圏内全頭処分を前提にワクチンを接種する方針を決めたのを受け、現地対策チームの山田正彦副農相は20日、関係の地元9市町長と農家への補償などについて協議した。政府は早急なワクチン接種に理解を求めたが、地元は「補償内容が不透明」などとして難色を示し折り合わなかった。政府は今後ワクチン接種と同時並行で、地元自治体と連携して補償支援策の内容の詰めを急ぐ。

 県庁内で約1時間にわたった協議の後、会見した山田副農相は「接種による感染防止の必要性は共通の認識」とした上で、農家や関連産業への具体的な補償については「こちらも財務省と詰めている段階。理解と協力をお願いした」と話した。

 一方、川南町の内野宮正英町長は記者団に「口蹄疫は撲滅しなくてはならない」とした上で「事前に具体的な話し合いがなく、唐突すぎる。それでは農家は納得しない」と話した。さらに、牛1頭当たり約60万円とした殺処分奨励金についても「繁殖と肥育で農家の形態・収入が違う。すべてひっくるめて『なんぼ』という話ではない」と語気を強めた。

 また、東国原英夫知事は会見し「農家の同意がないまま、見切り発車はできない。対策本部長は総理だ。国が大枠で何千億持ちますからやってくださいという判断をしてほしい」と述べた。【小原擁、澤本麻里子、川上珠実】

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