「主人は不器用でも嘘はつかなかった」故中川元財務相夫人、郁子氏
2010/07/17 16:49更新
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11日投開票の参院選では、昨年10月に急逝した中川昭一元財務相=享年56=の家族や親族が3つの党に分かれて戦った。おじの中川義雄氏(73)はたちあがれ日本の比例代表候補、いとこで義雄氏の長男、中川賢一氏(43)はみんなの党の北海道選挙区候補としてそれぞれ出馬した。そして、昭一氏の妻、郁子(ゆうこ)氏(51)は自民党候補の応援に飛び回った。昭一氏の後継者といわれている郁子氏。どのような思いで参院選に臨んだのか。昭一氏への思いは。近況も含めて語ってもらった。(田中靖人)
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記事本文の続き --昭一氏の急逝から9カ月が経過した
「主人が元気でいたらどういうふうにしていたかな、と考えながら過ごしてきました。私の一番の仕事は2人の子供たちを支えていくことです。しかし一方で、主人は本当に皆様方にいろいろと迷惑をかけたこともありましたが、少し不器用なところがあるくらいまじめで正直に56年間の人生を貫いたと思います。特に、今注目されている財政問題や食糧問題、水資源問題、これらは日本にも来る問題だと熱心に勉強して訴えていましたが、昨年の衆院選では皆さんの心に届かず当選できなかった。その主人の気持ちをどうやって皆様方にお伝えしたらいいのか、ということであると思います」
--参院選で自民党候補を応援したのは
「長谷川岳さん(39)にお目にかかったのは、参院選公示から1カ月ほど前でした。主人が初めて国政に出たのが30歳の時でした。主人はその当時、長谷川さんほど雄弁ではなかったですし、もちろん長谷川さんのようなイケメン青年でもありませんでした。けれども、何か思い出が重なり、応援をさせていただきたいという思いになりました」
「長谷川さんは、主人が常々言っていた食糧、水資源、エネルギーの3つに絞って話していました。主人が、十勝への思いや、十勝の農業の発展が日本を守り、日本人を守るんだという話を常々していたのを思いだしました。主人の思いを少しでも実現してくれる人に当選してほしいと思いましたし、選挙戦が進むにつれ、長谷川さんの話の中に『国益』という言葉も出てくるようになり、うれしく思って、ますます応援してしまいました」
--長谷川氏が昭一氏と同じ自民党の候補だったということだけが応援の理由ではなかったと
「自民党や日本全体のことを言うのは、思い上がりになるので申し上げにくいですが、(昭一氏の地盤だった)十勝地方に限って考えると、十勝の保守勢力がバラバラになっては困るという思いがありました」
「実は、主人は26年間の政治生活の中で『自民党を辞めるかもしれないけどもいいか』ということを私に2回言ったことがありました。私は、どういう立場になろうと、自民党を辞めようと、政治家を辞めようと、主人が信念を持って行動することだったら何でも応援していきたいと思っているから、という答えを常にしていました。で、自民党を辞めるのかな、と思いましたら、結局のところはやっぱり自民党に残ってがんばりました」
「ここは想像でしかありませんが、主人は落選中でも自民党を離党することはなかったと思います。なので、お世話になった自民党を支える立場を変えなかったと思います」
「話は飛びますが、息子は高校でアメリカンフットボールをやっています。地味なオフェンスライン(が担当)ですが、試合を見に行って、幼なじみでスター選手のクオーターバックの写真を撮って気づきました。息子や仲間がものすごい形相で必死に道をつくってるんですよ。あ、それがあって初めてクオーターバックはパスが投げられるんだな、と」
「主人がきっと今までしてきた仕事は、(農水相や経済産業相の時代に)WTO(世界貿易機関)交渉なんかでがんばっている間に、『日本の農業、ちゃんと育ってよ』って思って、歯を食いしばってやってたんじゃないかって。安倍さん(晋三元首相)、麻生さん(太郎元首相)、小泉(純一郎・元)首相らにお仕えしてきましたが、マウスピースをぐっとかみしめて必死に守っていたのが中川昭一の人生なんじゃないかと思います」
「いつも思いだすことがあります。経産相時代、カンボジアに行ったときに、子供たちの施設を視察したそうです。そのときの印象を『日本の子供たちの目はキラキラと輝いてないね。どうしてだろう』と話していました。その言葉に、主人が亡くなってからも気になっていましたが、テレビでふと、隣町の幕別(まくべつ)町出身のスピードスケート選手、高木美帆さん(16)が、主人も建設に尽力した全天候型スケートリンクを背景にインタビューを受けているのを見ました。その高木さんの目がキラキラと輝いていて、主人に見てもらいたかった。何かを目指している子供は、すごく目が輝いている」
「そこで、なぜ子供の目が輝いていないのか、ということですが、正義を貫く勇気を社会が子供に教えていないからではないでしょうか。主人は本当にばか正直で不器用でしたが、うそをつくことが決してなかった。社会で生きていくにはうそもつかなくちゃいけないかもしれないけれど、せめて政治家はうそをつかないでほしい」
「鳩山由紀夫前首相が(実母から)毎月1500万円ももらっていて『知らなかった』と責任を取らなかったような国にしないでほしい。菅直人首相も、言っていることがコロコロ変わる。変わるのは、うそをついてるからですよね。こんな単純なこと、子供でも気が付きます。だから子供の目が輝いてないんだと思います」
--参院選で義雄氏はたちあがれ、賢一氏はみんなから出馬した。「中川」が事実上3分裂の格好となった
「親戚(しんせき)であっても、国やふるさとを思う気持ちはそれぞれ違って構わないと思います。お付き合いも続くと思います。主人が元気だったらこういう形にはならなかったと思いますが、もし今、急に降りてきて何かを言うとしたら、口癖だった『まあいいじゃないか。みんなそれぞれ大変なんだから』と言うと思います」
--昭一氏の後継者として郁子氏を衆院北海道11区から擁立する声がある
「そう言っていただくのはありがたいが、とても出過ぎたことです。ただ、やはり…うーん。今はとにかく、十勝の保守がバラバラにならないように、ということが唯一の願いですし、バラバラにならないでほしいという気持ちを十勝の皆様にお伝えするのが仕事だと思っています」
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