◎銃について

全く持ってしつこい話題ですが、銃についてマニアしか知らない事をまた少し・・・

銃と砲の違いについて・・・

軍や時代によってその定義は変化するので厳密な規定はないが、大まかに言って使用する弾丸の弾頭の種類に炸裂弾があるかどうかで分けられる。

厳密に言うと、銃弾でも炸裂弾は少数ながら存在するのだが・・・

で、その弾頭の種類だが、機関銃や機関砲の場合一度に発射する弾種は複数種類を混合するのが一般的である。

機関銃の場合は鉄鋼弾(アーマーピアシング)が殆どで、少量の曳光弾や焼夷弾を混ぜるのである。

機関砲の場合は更に炸裂弾(榴弾)が加わる。

ちなみに曳光弾とは、発射すると発光して弾道が目視で確認できるようにした弾丸の事である。だから、銃の弾はみんな光るわけではなく、光るのは曳光弾だけである。映画やアニメでは銃撃をわかり易く見せるために弾丸は何でもかんでも光って弾道を見えるようにしているが、実際にはあんな事はありえない。曳光弾と曳光弾の間には何発もの非発光弾があるのだ。

 

特殊な弾丸について・・・

別の項でも触れたが、銃弾にはいくつかの種類がある。

対人殺傷力を極めて高めたダムダム弾や、その逆に殺傷力を低くし貫徹力を高めたアーマーピアシングなどである。

それと、弾頭ではなく炸薬の封入量によっていくつかの種類がある。

標準的な炸薬量のファクトリーロード、炸薬量を増やしたマグナム弾、更に炸薬量を増やしたホットロードである。

その逆に、炸薬量を減らした非常に特殊な弾丸がある。

それはライトロードと呼ばれるもので、これは市販されていない。使用済み薬莢を利用して自分で弾丸を作るリロードと呼ばれるもので行われる。

ではなぜわざわざ炸薬量を減らし威力を落とすのかと言うと、じつはこれシューティング場で使用されるからである。

観光旅行でグァムなどに行って遊びに行った方もいると思う。

そう、観光地のシューティング場は、銃のど素人である観光客が面白半分に行く場所なので、それにあわせた弾を使うのである。

よく、グァムで44マグナムを撃って来たけど大した事なかった、と言う話を自慢げにする人がいるが、それは本当にマグナム弾だったかどうか非常に怪しいものである。

ライトロードとは、銃の扱いに慣れていない人でも簡単に銃を撃てるように威力を弱め、発射時の反動を押さえるためのものなのである。

たとえ44マグナムと刻印された銃を撃ったとしても、その銃に込められた弾丸がマグナム弾だとは限らないのだ。観光客用のライトロードだった可能性が非常に高い。

マグナム弾の場合、ストッピングパワーを極限まで高めたダムダム弾なので、弾頭はシルバーチップと呼ばれる銀色の軟質金属や、中央に穴の開いたホローポイントが使用される。鉛むき出しの先端が丸いラウンドノーズが使われることはまずない。鉛むき出しの弾頭はホローポイントに多いが、これらは銃身との接触部分にカッパージャケットと呼ばれる銅製の皮膜をかぶせて銃身が溶けた鉛で汚れないようにしている。

しかし、ダムダム弾は非常に高価なので、観光客が撃って遊ぶだけのシューティング場で使われることなどありえないのだ。殆どが鉛むき出しのラウンドノーズのリロードのライトロードを使用している。

「マグナムは大した事なかった」と言う人に聞きたいが、本当にそれはマグナム弾であったかどうか確認したのか? ま、どうせ素人だから見分けられないとは思うけど・・・

それともう1つ、シューティング場でしか使われない特殊な弾丸がある。

弾頭の種類なのだが、先端部分がまっ平になっているワイドカッターと呼ばれるものがある。これは、紙の的を撃った時に綺麗に穴が開く用に作られた弾丸である。この弾丸は本当に特殊で、通常一般に流通する事はなく、銃器の専門誌でも紹介される事がない。この弾丸の存在を知っている人は、間違いなくガンマニアの中の更にすごいコアな人である。

もしくはシューティング場の従業員だけである。

 

バルカン砲について・・・

バルカン砲とは実は商品名の事である。

ゼネラルエレクトリック社が開発したM61バルカン6砲身20mmガトリング砲の事を通称バルカン砲と言い、ガトリング砲の1種類である。

ガトリング砲とは、19世紀末期にガトリングさんが開発した6砲身回転式機関銃の事で、後に大口径化した機関砲として開発され、航空機関砲やCIWSファランクスに採用されている。

だからガトリング砲の事をなんでもかんでもバルカン砲と言うのは厳密には間違いである。

でも、現在流通しているガトリング砲と言ったら殆どが20mmバルカン砲なので、言葉の使い方は間違っていても結果的には間違いじゃなくなる・・・

ガトリング砲の特徴として6本の砲身を回転させる為に外部動力を用いている。

電気式と油圧式があり、油圧式のほうが安定回転速度に達するまでの時間が短いのだが、電気式のほうが主流のようである。

その為、ガロリング砲は引き金を引いてもすぐに発砲するわけじゃなく、ほんの少しの間だが回転速度が安定するまで弾丸を発射しないタイムラグがある。

それと、致命的な欠陥がある。

それは、あまりにも高速で砲身を回転させる為に、発射した弾丸の弾道が砲身の回転方向にぶれて命中精度が極めて悪いと言う事である。

しかしながら、ガトリング砲の最大の利点であるところの凄まじいまでの連射速度があるため、少しくらい命中精度が悪くても大した問題ではなくなる。下手な鉄砲数撃ちゃあたる、というのを体現しているような兵器なのである。