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ディアボーンは次のように言います。「エネルギーは太陽の中心部で発生します。太陽表面を熱するためには、エネルギーは太陽の中心部から外側部分まで伝わっていかなくてはなりません。エネルギーは、主に放射拡散によって太陽の外側に伝わります。1つの分子が放射したエネルギーを別の分子が吸収し、さらにまた別の分子に放射するという繰り返しです。この放射拡散によって、エネルギーは太陽の表面から半径およそ20%ほどの深さまで伝わります。そこから表面までは、対流によって伝えられます。過剰なエネルギーを持つ気体は太陽表面まで上昇します。そして表面に達するとエネルギーを放射して温度を下げ、気体は再び太陽の内部に戻っていくというわけです。対流という力学的な運動は、黒点を生み出す磁場の発生にもかかわっています。」

黒点は比較的低温
太陽表面上に黒く見える黒点は、一時的に磁場が集中している領域です。磁力は内部から高熱の物質を上昇させる対流を妨げます。そのため黒点は、周囲のプラズマや気体よりも温度が低いのです。「低い」とは言っても、実際にはかなり高温なのですが。「およそ5,700ケルビンにも及ぶ光球ほどではありませんが、黒点の温度は4,000ケルビンを上回っています。太陽の黒点は、地球上のどこと比べても極めて高温なのです。」ジョージ・フィッシャーはこのように述べています。「ケルビン」とは温度の単位で、1ケルビンは℃+273.16に相当します。


黒点が黒く見えるのは、温度が周囲の70%ほどしかないからです。デビッド・ディアボーンは「加熱された気体や鉄が放射する光の量は、計算によって導き出すことができます。温度が2倍になると、放射される光の量はほぼ8倍になります。温度をX軸、放射される光の量をY軸とすると、グラフの曲線は急勾配を描きます。」と述べています。そのため、黒点は周囲よりもわずかに温度が低いだけですが、かなり黒く見えるのです。しかし、黒点を切り取って夜空に配置してみると、満月と同じくらいの明るさで輝くはずです。 the umbra and penumbra

 

黒点は2つの部分でできています。中央のほぼ円形の「暗黒部(アンブラ)」と呼ばれる黒い部分と、その周辺の「半暗部(ピナンブラ)」というやや明るい部分です。アンブラはラテン語で「影」、ピナンブラは「影に近いもの」を意味します。黒点の外側に見える粒状斑は、対流によって生じる現象です。粒状斑の中心は太陽の内部から上昇してきた高温の物質で、粒状斑の周縁は内部に沈んでいこうとする低温の物質です。

 

 

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Observatory 1998 The Exploratorium.

このコンテンツは、米国エクスプロラトリアムにより制作されたものを翻訳しました。
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