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太陽による強力な電磁波の衝撃は、地上の送電線や無線通信を混乱させることもあります。太陽の強力な磁気放射が、電線を流れる電気や無線通信の電波に障害を与えるのです。電流や電圧が激しく変動したり、電波障害が起こったりといった現象です。また、電磁波の力が強すぎると、送電線が過負荷となったり、無線信号が途絶えたりします。ディアボーンは次のように言います。「地球の磁場のやや深いところに飛び込んだ太陽のエネルギー粒子は、地球の磁場に取り込まれて、北極と南極の間を行ったり来たりします。その結果、美しいオーロラが発生するというわけです。同時に、このエネルギー粒子は、電波障害の大きな原因ともなります。低い周波数帯は特に影響を受けやすく、放送などに問題が起こるのです。」

 

 

人工衛星は、地球の大気によって保護されていません。そのため、黒点の活動によって生じた強烈な磁気嵐による障害を受けやすくなります。ディアボーンは次のように言っています。「太陽から放射され、加速したエネルギーの粒子は、地球の磁場と影響し合い、地球の周囲を取り囲みます。人工衛星は、これに対処しなければなりません。人工衛星は、宇宙空間の1つの電荷領域から、反対の電荷を持った領域へと移動します。その際に、人工衛星の表面でプラス極とマイナス極が突然入れ替わってしまうのです。両極間でアーク放電が発生し、人工衛星の内部では、本来は流れないはずの場所で電気が流れてしまうのです。これは人工衛星に極めて悪影響を与えます。」

 Dave Dearborn
太陽の磁気嵐が地球に与える影響について語るデビッド・ディアボーン。
RealMedia Clip /Help map
 Skylab Image このように、極性の逆転によって、人工衛星に搭載された精密電子機器が損傷を受けることがあります。また、太陽放射の増加は、地球大気の“膨張”を引き起こします。ジョージ・フィッシャーによれば、この膨張によって、軌道周回中の人工衛星にかかる大気の抵抗が大きくなるというのです。その結果、人工衛星は予定よりもはるかに早く、正確な軌道からはずれてしまいます。重量100トンを超える宇宙ステーション、スカイラブがそのよい例です。1973年に打ち上げられたスカイラブは、1980年代まで軌道上を周回する予定でした。スカイラブの目的の1つは太陽の研究でした。しかし皮肉なことに、太陽活動が活発になったことで、スカイラブは1979年に軌道を急速に下げ、地球の大気圏に再突入してしまったのです。破片はインド洋上に散らばり、一部はオーストラリア南部に落下しました。

 

 

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Observatory 1998 The Exploratorium.

このコンテンツは、米国エクスプロラトリアムにより制作されたものを翻訳しました。
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