キャリア・コンサルティング技能検定 論述試験対策 逐語ってどうやって対処した良いの?
2009-11-14 Theme: ブログ posted by green-gables皆様、こんにちは。キャリア・コンサルティング技能士2級に合格しましたので、論述試験対策に迷う方が多いと聞きましたので、自分なりにポイントをまとめました。ご参考になれば幸いです。
論述試験対策として、諸派の理論を丸暗記する方がいるようですが、方向性を見誤っています。理論は記述しなくて良いのです。理論的背景はそのとるべきスタンスによって自ずと表現されます。
【論述試験の対処(ポイント)】
①主訴は最初の言葉に隠れている。
②クライアントの逐語部分に解決の糸口がある。
③戦略は可能性論
④あなたとしてはどの様に対処するか?が大事
上記4つのポイントを踏まえて、前回(2009年度 第2回)の論述試験 の考え方に触れてみたいと思います。
①主訴は最初の言葉に隠れている。
逐語部分「自分はこのままでいいのだろうかと思うことが増えてきました」に注目します。
論述のクライアント(以下CL)は、転職するか、現状にとどまるか迷っているということが主に訴えたいことになります。ポイントは決め付けないことです。相手の言葉に注目して何を悩んでいるのかに注目するべきなのです。
②クライアントの逐語部分に解決の糸口がある。
論述試験の肝は、ここにあります。①目標設定②具体策を「逐語記録からどのように汲み取るか」です。
カール・ロジャースのクライアント中心療法によれば、「問題の答えはクライアントの中にある」というスタンスですね?ですから、目標もクライアントの中に潜んでいるのです。ここで「考えられる戦略は何か」をリストアップするのです。ポイントは「あなたならどうしますか?」という視点です。(ここは理論ではありません。)
【目標設定】
可能性論にシフトします。クライアントの主訴は「不安と焦り」ですね。ここで、CLとしてどうしたいのかを傾聴の中で聞いていく必要があります。傾聴の中で吐露に終わる場合もありますが、こうありたいという意思がなければ次への行動に移すための条件や場合分けと言ったものが大切になるのです。
例えば、僕の場合下記のようなプランがありますが、あなたはどうしたいですか?と問いかけて、CLに考えてもらい意思決定してもらいます。ここまでが、目標設定であり「はっきり」させるプロセスです。
・現職→現状維持→資格取得→専門性向上
・転職→現状打開→専門性向上
【具体策】
ここでも「あなたならどうしますか?」という視点が大事です。自己理解が不足しているCLに対してキャリアの棚卸は有効ですね。CLはどうしたいのかによって、棚卸した結果に対する具体策も変わってきます。論述ではこの可能性論を具体的に記入します。現職継続であれば、資格取得のために何をするべきか(次にどのようなアクションを起こすか)を考えてもらい、意思決定を促すと考えられます。
転職の場合、営業を主軸にするのか、別の業界にチャレンジするのか、「子供にかかわることが好き」という切り口で転職先を選ぶのかを、意思決定してもらうということが、具体策になります。強みの確認をしてもらい、次へのアクションにどのように繋げるのか(あなたとして!)という視点が大事なのです。
③戦略は可能性論
この3問目を苦手とする方は多いのではないでしょうか。しかし、ちっとも難しくないのですよ^^
なぜならこれは、可能性論だからです。逐語から読み取れるCLの性格を読み解いてみましょう!
逐語記録から読み取れる情報でキャリア・コンサルタント視点に立って主訴以外の問題点を探してみてください。ここでも「あなたとしての視点」が求められます。(しつこいですが、理論ではありません。)
答えの切り口の根拠を明確にしてくださいね。どこの逐語を読み込んだ上でそのように思ったのか?です。
これが記述試験の肝です。
僕は、CLは極端に自己評価が低い認知上の(思考の)偏りがあるのではないか、というCC視点があるのではないかと思います。営業担当として信頼されているからこそ、異動せずにこの部署にとどまり続けているということも考えられるのですから、状況を傾聴して新しい視点に気付かせるのも問題解決のひとつではないでしょうか。
またCLは「・・・不本意なのでなかなか言えないですね。(CL5より)」と言っていますから、問題を抱え込むタイプであり、コミュニケーションが上手ではありません。よって、上司に言いにくいことを、どの様にしたら伝えやすくなるのかを一緒に考えることが問題解決となります。僕はアサーティブに表現する方法を学ぶことがCLにとってこの問題を解決する第1歩だと思います。
また可能性としてCLは精神的病気(今回のケースではその兆候は見えませんが)かもしれませんし、自分の手に負えない案件かもしれないわけです。その場合、精神科医にリファーしたり、他の専門家を紹介する必要が出てきます。全ての解決肢を自分は持っていないということを自覚することもCCにとっては大事なことですから、この視点で記述してみるのも良いのではないかと思います。(勿論、最後はあなたとしてのスタンスが問われます。)
【ちょこっとアドバイス】
①CLに○をする。・・・CCコメントは正直大事ではありません。
②CL逐語の気になる部分に主観的コメントを問題文に書いてみる。
【おすすめ学習サイト】
http://career.on.arena.ne.jp/hikki.htm
以上