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架空の人物で観光客誘致はダメ

7月19日7時56分配信 産経新聞

 【世界おもしろ法律事典】

 中国文化省と国家文物局は7月上旬、各地方政府に対し「架空の人物や悪いイメージをもつ歴史上の人物を使った観光誘致イベントの開催や、テーマパークの建設を禁止する」との通達を出し、話題となった。

 中国ではここ数年、高度な経済成長に伴い各地で観光ブームが起きている。各地方政府は地元出身の歴史上の有名人の墓を修繕したり、旧家を記念館にしたりするなど、その知名度を生かし観光客誘致に精力的に動いている。三国時代の名宰相、諸葛孔明や唐代の詩人、李白の出身地をめぐり、複数の地方が名乗り出る争奪戦まで起きている。

 最近、福建省順昌県は、明代の長編小説「西遊記」の架空キャラクター、孫悟空の墓を発見したと発表し注目された。同県内にある山の景色が、小説の中に書かれた孫悟空の住所、花果山と似ていることが理由で、孫悟空をテーマに観光開発を進めたいというのが現地政府の狙いだ。墓の発見は話題づくりにすぎず、検証に耐えられるものではない。

 これを契機に、四川省の遂寧市は観音菩薩の故郷、雲南省保山市は猪八戒の故郷だと主張。山東省陽谷県は明の小説、「水滸伝」に登場する地元出身のプレーボーイ、西門慶をテーマにした観光公園をつくろうとし話題になった。西門慶は不倫相手の夫を殺害した悪役として知られている。

 中国当局は、こうした観光客誘致の流れは伝統文化を歪曲(わいきょく)するおそれがあるだけではなく、青少年育成のうえでも好ましくないとして、今回の通達を出した。

 だが、「架空の人物や悪いイメージをもつ歴史上の人物」の定義はあいまいだ。「孫悟空には実在のモデルがいた」「西門慶は実はいい人だった」といった反論も寄せられている。(北京 矢板明夫)

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最終更新:7月19日8時18分

産経新聞

 

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