韓国漁船が自国周辺の海で漁獲し、日本が輸入した「太平洋クロマグロ」の量が、6月末までに少なくとも980トンと昨年1年間の輸入量を既に上回り、急増したことが水産庁の18日までの調査で分かった。
太平洋クロマグロは過剰漁獲や若い魚の漁獲が資源に与える悪影響への懸念が高まり、日本など関係国が漁獲能力を増やさないことに合意しているが、韓国の排他的経済水域(EEZ)内での漁獲はこの合意の対象外。
水産庁は「韓国漁船が漁獲能力を大幅に増やしている可能性が高い」として、今後、関係業者に韓国産クロマグロの輸入自粛を求める行政指導を行うことも検討する。また、今秋の資源管理機関の会合で韓国に、国際的な資源管理策への参加を働き掛ける。
水産庁によると、韓国産クロマグロの大部分を取り扱う福岡市の卸売市場での韓国産クロマグロの量は6月30日現在約980トン。2009年の同市場の取扱量約880トンを半年で超過した。09年の韓国からの総輸入量約920トンも上回った。