家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」で宮崎県川南町などに災害派遣されていた自衛隊の撤収式が16日、同町役場で開かれた。同日に感染被害が集中した県東部の制限区域が一部解除されたことに伴う措置。自衛隊は連絡調整要員約10人を残して被災地から撤収した。
派遣は5月1日から77日間に渡り、延べ1万8420人が家畜の埋却地の掘削や消毒作業に従事した。被災地で最後まで作業にあたっていた陸自都城駐屯地と空自新田原基地の約250人がこの日、任務を解かれた。
撤収式では河野俊嗣副知事が「目に見えないウイルスの危険の中で作業にあたってもらい、感謝します」とねぎらい、九鬼東一連隊長は「未曾有の大惨事の中で制限解除を迎えられたのは感慨深い」と述べた。式典後、役場を出発する車列を、町民や町職員約300人が見送った。
=2010/07/17付 西日本新聞朝刊=