4回、山崎が右中間に逆転3ランを放つ
「楽天4-2日本ハム」(17日、K宮城)
1カ月ぶりの一発は、日本球界を代表する右腕からだった。楽天の山崎がダルビッシュからの初アーチとなる、値千金の逆転3ラン。「いい思い出になったよ。24年生ながら自信になった」という会心の当たりは、右中間スタンドに突き刺さった。
直球を待っていた。「彼の一番の球は真っすぐ。それに振り負けないようにとは思っていた」。直前のスライダーを空振り。だがこれは思惑通りだった。「スライダー空振りしたから、バッテリーは変更して真っすぐ投げてきたんだと思う」。待ってましたのスイングで、大投手の剛球をぶっ飛ばした。
11月で42歳になる。連戦の疲労で体の節々に微妙な違和感を覚える。「年を取るとつらいよね。練習を自重することも必要だし」。打てなければ練習しないといけないが、しすぎると故障につながる。もどかしさと闘いながら、試合に臨んでいる。
6月13日以来、遠ざかっていた一発。「もう打てないんじゃないかと思った」。豪快さとは裏腹に、繊細な一面も見せる。これまで冗談半分で何度も口にしてきた「もう引退かな!?」というセリフ。心のかっとうを振り切るには、本塁打が何よりの良薬だ。
目指すは“不惑の大砲”門田博光氏の持つ42歳で31本塁打の記録。「もうちょっと打たないと、門田さんの記録も遠のく」。ダルからの一発で、よりいっそうの闘争心が芽生えた。
(2010年7月17日)