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日本相撲協会の改革を提言する「ガバナンス(統治)の整備に関する独立委員会」が16日の第1回会合で、およそ30項目に及ぶ改革案を提示していたことが17日、分かった。提案には年寄名跡、部屋制度、お茶屋と呼ばれる相撲案内所など大相撲が長年、守ってきた伝統を揺るがす内容が含まれている。今後、委員会では30項目の提案を土台に協会へ改革案を答申する方針だが、委員の間からは大相撲の伝統を破壊するとの懸念が早くも噴き出している。
独立委員会が大相撲の伝統を根こそぎ洗い直す。16日の第1回の会合で年寄名跡、部屋、お茶屋など角界が長年にわたって培ってきた制度を見直す提案が行われてきたことが発覚。その数は約30項目にも及び、容赦ない外部のメスが国技に介入する。
提案を中心的にまとめたのが、慶大商学部教授で委員会の中島隆信副座長(49)だ。「今のままだと相撲が壊れてしまう。守るべきものは守り、変えなければいけないものは変えるという意味で考えました」と明かした。
注目は年寄名跡の改革だ。角界では現役を引退し親方として協会に残るためには、年寄名跡を取得しなければならない。条件は幕内・十両通算30場所以上など。この条件を満たしても名跡の譲渡には1億5000万円とも言われる高額な金銭を支払う必要がある。「これだけの金銭を支払わなければ親方になれないのでは、本当に弟子への指導力があって協会の戦力になる人が親方になれない」と中島副座長。こうした角界独特なルールも、改革のまな板に載せることを断言した。
他にも年6場所の本場所の減少や、師弟が同じ屋根に寝食を共にし弟子を育成する部屋制度の改革も、30項目の中には含まれているという。今後、独立委員会はこの提案を叩き台に議論を進め改革案をまとめる。最終的には委員会の提言を協会の理事会が受け入れるかを決議する。ただし、すべてはこの30項目が改革案の土台となるだけに、協会が守ってきた古き良き伝統も一気に崩壊の危機に立つ可能性も出てきた。
この提言に委員の間でも反応は真っ二つだ。「相撲のことを全く理解していない提案で、こんなことが実現したら大相撲は破壊する」と、ある委員は憤慨する。また別の委員は「今の大相撲の問題点をまとめている」と支持する。独立委員会の動きに、協会内のある理事は「委員会から意見が出たときに一緒になって考えていけばいい」と静観した。
第1回の委員会では相撲界の基本的な規約も知らない委員がいた。伝統を理解しない拙速な改革は、国技の破壊につながる。協会内外で時間をかけた慎重な議論が求められる。
◆独立委の今後の日程 名古屋場所14日目の24日と31日、ともに東京・両国国技館で会合を行う。その後も週に1度ほどのペースで会合を重ねていく予定。反社会的勢力の排除と維持員席を大きな課題に据え、秋場所(9月12日初日・両国国技館)までに対策をまとめる意向。更に年内をメドに工程表を作り、遅くとも来年3月までには改革案を作る予定だ。
◆中島 隆信(なかじま・たかのぶ)1960年9月7日、神奈川・横須賀市生まれ。49歳。83年に慶大経済学部を卒業。2000年同大商学博士。01年同大商学部教授に就任。内閣府大臣官房統計委員会担当室長などを経て、09年4月に慶大商学部教授復帰。主な著書に「大相撲の経済学」(ちくま書房)、「オバサンの経済学」(東洋経済新報社)など。
(2010年7月18日06時03分 スポーツ報知)
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