人気LED電球の意外な落とし穴 「暗い」「重い」「切れる」と苦情
7月18日10時12分配信 J-CASTニュース
価格低下で急拡大するLED電球だが・・・(写真は、東芝製) |
LED電球は一般の白熱電球と比べて、価格は4000円前後と安くないが、消費者の「エコ意識」の高まりと、従来の電球からそのまま取り替えられる便利さで売り上げを伸ばしている。しかし、実際は一般の白熱電球とLED電球は「別モノ」で、いろいろと注意する点があるようだ。
■急拡大は価格低下が要因
LED電球市場は急拡大している。市場調査のジーエフケー マーケティングサービス ジャパンによると、2010年5月のLED電球の販売数量を示す指数は09年7月の1に対して55に、金額ベースで48に達した。
同社は、「価格が下がってきたことが急拡大の要因」(経営企画室)と話す。10年初の平均価格は約3700円だったが、5月には約2950円に20%下落。低価格帯モデルの投入や、エコポイント制度の変更で4月以降、LED電球との交換に必要なポイント数が半分になったことから、価格面でも手の届きやすい製品になりつつある。
GfKジャパンでは、「長寿命なので販売が一巡すると伸び悩むでしょうが、いまはまだ普及段階で、しばらくは高い伸びが続くでしょう」とみている。業界ベースの09年度実績は約328万個で、パナソニックは「10年度は2倍以上になる」と予測する。
モデル別シェアでは、シャープと東芝、パナソニックの3社が上位10モデルを占めている。
市場が伸びる一方で、LED電球への苦情や相談も増えている。国民生活センターによると、電球類(白熱電球などを含む)に関する苦情や相談件数は、07年度100件、08年度114件、09年度は138件と年々増えている。10年度も3か月で47件に上っている。
■白熱電球とは「仕組み」が違う
国民生活センターに寄せられた苦情や相談は、「10年間使用できるというので買ったのに、すぐに切れた」、「調光用LED電球を買ったが、暗くすると明かりがチラつく。メーカーに問い合わせたところ、むずかしい商品なので性能にバラつきがあるといわれた」、「明るさの表示には60ワットとあったのに、実際には40ワットの明るさしかなかった。メーカーは表示を明確にすべきだ」といった内容。「光が広がらない」、「重くて照明器具にあわない」といったものもある。
消費者の目から見ると同じように見える、従来の一般電球とLED電球だが、どのメーカーも、そもそも「仕組み」が違うことを強調する。一般電球は、電球の中にフィラメントが入っているだけだが、LED電球の場合は電源や熱を逃すための工夫が施されているので、その分、重たくできている。また、一般電球の光が全方向に広がるのに対して、LED電球は電球の上の部分しか光らず、「指向性」が高いのが特徴だ。
そのため、「光のあたり方が一般電球と同じイメージのようにはいかないことがあります。たとえば、ペンダントライトや横付け、斜め付けの照明器具を使う場合は、少し暗く感じることがあります」と、東芝ライテックは説明する。
同社は、「購入時には、『ルーメン値』に注意してもらいたい」という。消費者はワット数が大きければ明るいと思っていて、40ワットと60ワットでは60ワットのほうが明るいと思っている。しかし、LED電球の明るさをみる場合は、「光束を表わすルーメン値が大きいほど光束が多く明るい」という。
パナソニックは、「照明器具によって、一般電球とLED電球を上手に使い分けてほしい」と話す。
省エネ、長寿命ばかりが喧伝されているが、LED電球は「まったく新しい電球」なので消費者は購入時に気をつける必要があるようだ。
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最終更新:7月18日23時32分
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