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[20380] 【ネタ】なんとなく思いついたネタを書いてみた(ネギま! 二次創作)
Name: UNI◆571f25cd ID:3c10c679
Date: 2010/07/17 18:35
目に映る、果てしなく続く白。

こんな事を唐突に言い出したら、コイツ何言ってんだ?みたいな目で見られるだろうから、少し説明しようか。

バイト先のコンビニでレジ打ちをしていた時の事だ。
急に覆面の男が入ってきて、金を出せと言い出したもんだ。まあ、所謂コンビニ強盗だよね。
ふ、嘗めるなよ。俺は大の格ゲー好きだぜ? とか思ってたんだが、警察が来てパ二くって錯乱した犯人に刺された。
あ、これは死んだ。ドス、ザク、スイーツ(笑)

ここで目覚めて、今の状況に至るという訳だ。
……あれ、俺もよく分かんなくなった。

まぁつまりは、俺は死んじゃって天国行きを待ってる訳だ。
そうと分かれば、もう一回寝よ。おやすみ。

「あぁ、貴方で最後ですね? 寝てないでこちらに来てください」

我の眠りを妨げるのは誰だぁ、と起き上がってみると、明らかに『私、天使です』って姿をした人が立っていた。

まぁ天使、だよね。頭の上に輪っか有るし、翼有るし、白い服だし。
安直すぎる? 馬鹿言うな。天使はこの姿が基本だろ、常識的に考えて。

「さ、呆けてないで行きますよ」

「行くって、何処にですか?」

「行けば分かります。手を」

手を差し出されたので、恐る恐る握ってみた。
色白だなー。肌スベスベだし、流石は天使様ですね。
あれ、でもこの天使様、性別は?
男……だったら、俺は男に欲情した変態ということになるんだろうか。

「着きましたよ」

ちょっと自分に絶望して、頭を抱えていた俺に、天使様の声が掛かった。
頭を上げると、今から面接します、みたいな部屋に居た。

「さ、席に着いてください」

「あ、はい」

促されるままに、目の前の席に座る。
と言うか、なによここ? まさか面接する訳じゃない、よね?
面接とか、高校入試で直前に内容を全て忘れた俺には、軽くトラウマものだぜ。

「既に気付かれているでしょうが、今から貴方の来世について話したいと思います」

おおう、面接キタコレ。
と言うか来世だって。今流行りの転生フラグか?

「ここは、人が天国と呼んでいる地へ進む者を、細かく選定する場です」

「成程、よく分かりません」

「――なら相槌を打たないでください」

サーセン。反省してます。

「続けますよ? 貴方は、我々が定めた基準で天国行きとなりました。なので、こうして私が貴方の前に現れたのです」

ほう、よく分からんが、俺は天国に行ける訳だな?
それは有難い。地獄に行って、賽の河原で石積みはごめんだからな。

「こうして話している間も、貴方の魂を見させて頂いてます」

「イヤン、恥ずかしい」

とてつもなく冷たい目で見られたので、少し自重する。
俺は基本的にヘタレで小市民なのだ。

「……ふむ、貴方はとても臆病なのですね。だから他人に必要以上に干渉しない」

これって人権侵害じゃないか?
あ、俺死んでたか。

「ですが、特に際立った部分も無い。上に行くほどの人徳も持ち合わせていませんね。
貴方は、第三階層に行って――――」

「ちょっと待った!」

俺を丁寧に罵倒していた天使様の言葉を、若い男の声が遮った。
それは悪戯小僧のような、無邪気な声だった。
だが、天使様の反応は違った。声の主を畏れるかのように、直立不動になる。
そんなに恐ろしい人が来るんだろうか?

「ふはははは! 俺様、降・臨!! そら、畏れ敬えー!!」

……なんだろ、ただ痛々しい人にしか見えないぞ。
でも天使様は跪いてるし、何者?

「へい、少年。君は平凡がつまらないと感じた事はあるか?」

「いえ、別にないですが――」

「素晴らしい!!」

俺が言い切る前に、大音量で重ねてきた。とても耳が痛い。

「日常に何の不満も無い人間が、いきなり非日常へ飛び込んだらどうなるか、君には体験してもらうぞ!」

意味が分からねぇ。
この人、頭大丈夫だろうか?

「さあ、下界には『善は急げ』という言葉も有る事だ。今すぐ行ってもらおうか!」

「……へ?」

言ってる事が分からないままに、話はとんとん拍子で進んでいたようだ。
なんて暢気な事言ってる場合じゃない! やめて、俺は天国に行きたいんだ!!

「でも、そう簡単に死なれても困るから、不死身にしとくぞ」

嬉しくないわぁぁぁぁ!!
はっ、そうだ、天使様、貴女なら俺を助けてくださるはず!!

「……頑張ってください」

頼りねぇ!! そのサムズアップはなんなんだチクショー!!

「じゃ、行ってらっしゃーい」

「恨んでやるーーーー!!」


足下に真っ暗な穴が開き、俺は重力に逆らわず落ちた。
あぁ、これなら地獄行きの方がマシだった…………。







転生したら強くなる主人公が多かったから、弱くしてみたかった。
次の話で主人公の弱さが語られるれる、かも。

処女作なので、作者の妄想が続く限りは書いていきたいと思います!



[20380] 第二話
Name: UNI◆571f25cd ID:3c10c679
Date: 2010/07/17 21:08
「……眠い」

いつもと何も変わらない朝。
肌に吹き付ける風、体に降り注ぐ木漏れ日。鼻に香る草木の匂い。
――違和感だらけ?

「おぉ、森じゃないか。なんで?」

これが噂の某国の拉致かと思ったが、よくよく記憶を辿れば、理由を察する事が出来た。
理解なんて、欠片もしたくなかったが。

「さて、先ずは状況把握……っと」

立ち上がろうとしたところ、どうにも手に力が入らなかった。
と言うよりは、体中に脱力感を感じる。なにか、出来る筈の事が出来ないもどかしさも。

「……なぜに?」

『ヒャッホー!! 今日も朝からハイテンション、俺様の降臨だぜー!!』

いきなり頭に大音量であの声が響いた。
……頭が痛い。と言うか、降臨とか言うなら出てこいよ。

『森で途方に暮れてる少年に伝える事が有るぜー! まあ説明だるいから、後は頼むぞー』

オイ、あんた無責任すぎんだろ。
自分で俺をここに送っといて、だるいとか酷過ぎるぞ。

『はあ……聞こえますか? 貴方を担当した天使です』

「これは天使様、おはようございます」

苦労人な天使様だ。でもなぁ、この人も助けてくれなかったし。
あの人の暴挙を止めてくれてもいいのに……。

『そう言わないでください。一介の天使が逆らえる方ではありませんから』

あの人、そんなに偉かったんだ。ちょっと意外かも。
とりあえず、性格は改善して欲しいが。
……と言うか、また心読まれてるし。

『そうしないと会話が成立しませんからね。では、貴方の体について話しましょう』

やっと本題ですか。
とりあえず、この力が入らない事について説明して欲しいです。

『貴方の体は、あの方が仰った通り不死となっています。死ぬ事が無い――と言うよりは、死んでも蘇ります』

晴れて人外の仲間入りですね、分かります。
と言うか、そんな苦痛の無限ループみたいなのは嫌なんですが。

『そこは安心してください。貴方の痛覚は、完全に機能しませんから』

人としての機能まで外しますか。
痛みが無くて死なない――つまり、それってゾンビじゃ?

『いえ、違います。体が腐乱していないでしょう? 貴方は死なないのではなく、死んだら砂になりますから。また蘇りますけどね』

わお、つまりスナスナのワニさんなんですね。
砂とか操れたりするのかな?

『無理ですね。基本的な能力は、一般人と変わりませんから』

……どうやら転生最強オリ主にはなれないようだ。
まぁ、平凡に生きてればいいか。
それで、この体の脱力感は?

『その事なんですが……なんと言いますか、その……』

天使様が言い淀むとは、そんなにヤバいんだろうか。
……少し不安になってきた。
迷っていたようだが、いつも通りの冷静な声で話しだした。

『貴方の体は、あの方の面白半分で赤ん坊と同じスペックとなっています』

…………はい?
赤ん坊? あの泣く事と眠る事が仕事の赤ん坊?
……な、なんだってー!?

『申し訳ありません。お止めしようとしたのですが、私では力及ばず……』

は、はははは。弱体化しすぎワロタ。
これってつまり、後数年は動けないから飲まず食わずって事か?
……俺死んだ。

『あ、そこは大丈夫です。飢えも渇きも感じませんから。まがりなりにも不死ですし』

お、おぉ、有難いようで全く有難くない。
人生の楽しみの一つを奪うなんて、酷過ぎる……。

『味覚は有りますから、いいじゃないですか』

そうゆう問題じゃないんですよ、天使様。
空腹は最高のスパイスだ、とか何とか……言ってる人がいたんだよ!

『そうゆうモノでしょうか? まあ、これで伝える事は全て――』

『伝え終わったんだぜー!! 理解したか、少年!?』

はい、出ましたハイテンション。
畜生、この人に関わらなけりゃ、今頃天国に居ただろうに……。

『その超低スペックで精々足掻けよー!! 俺様が飽きるまでは楽しく見させてもらうぜー!!』

飽きるって分かってんならやるなよ!!
神様なら責任持てよ!!

『俺様が楽しけりゃそれで良い!!』

くそぅ、傲慢我様かよあんたは……。

『じゃ、気が向いたらまた話そーぜ!!』

『がんばってください、あの方が無茶をしないように気を付けていますから』

あぁ、貴方だけが俺の味方です、天使様。
……んじゃま、気合入れて生き抜くとしますか!

「ううう……せっ、ほっ、よっ――」

起き上がれない……だと……!?

「もう駄目だ……死のう……」

あ、俺不死だった。







勢いで書き上げてみた。自分で書いてて、この主人公弱すぎるだろ……とか思ったんだけど、大丈夫かなぁ。
よくあるように原作開始から結構前には設定してるけど、原作開始までに開始当初のアスナくらいまではつよくなれるだろうか?
某ロリババァに鍛えてもらうしかないのかな……。

作者は小説を書くのが初めてなので、変な箇所や誤字脱字はご指摘ください。
批判などもしっかり受けて、次に活かしたいと思いますので、よろしくお願いします。



[20380] 第三話
Name: UNI◆571f25cd ID:3c10c679
Date: 2010/07/18 19:54
あるー日、森の中、熊さんに、出会ーった。

「グガアアアアア!!」

はは、死んだ。

野生の熊のひっかく! 右腕がもがれた!

「痛たたたたたた!! いや、痛くないけど精神的に痛い!!」

自分の右腕をもがれる光景を見るとか、どんな拷問だよ。
切断面から血がドバドバ出てるし……あ、止めて、俺の目の前で右腕食べないで!
なんか黙って咀嚼してますよ、この熊さん! とても心が痛い!
食べ終わると満足したのか、機嫌良さそうに森の奥へ消えていった。

「……もう泣きそう」

なんだろう、凄く悲しいんだ。
もう疲れたよ、パトラッシュ……。

野犬が現れた!

「お前じゃねぇぇぇぇ!!」

野犬には左足を持っていかれましたよ、えぇ。



「と言うか復活しないじゃん……誰だよ、俺は死んでも蘇るって言った奴」

『分からない事は俺様に聞け!! 今日も朝から絶好調だぜー!!』

出たな、ハイテンションな神様め。
と言うか、なんのラジオ番組のコーナーだよ。

『詳しく言ってなかったが、少年は即座に部位蘇生出来る程、不死の肉体に馴染んでないからな! 後数年は砂になって蘇生を繰り返すぞ!!』

絶望した! 唯一頼りになる筈の不死性の低スペックさに絶望した!!
と言うか、どんだけ経ったら馴染むんだよ。

『んー、百年くらいか?』

気長すぎんだろ。 俺に後百年間砂になり続けろと?
神様の理不尽さに憤りを禁じ得ない。

『ま、お前が生きてた時代までまだまだ有るから、気長に生きろ!!』

なんという事でしょう、俺はタイムスリップまでさせられたようです。
この神様、実は悪魔なんじゃないか?

『それじゃ、しーゆーあげいん!!』

はいはい、次は朗報を期待してますよー。
まあ、有り得ないだろうけど。



神様の声が途切れてから数時間。不死者の時間と言っても過言ではない真夜中を、右腕と左足が無い状態で過ごした俺。
もう少しで日の出じゃないか。少しは立つ練習したかったぜ。
と、動物たちに持っていかれた部位に微かな痒みを感じた。これぞ正に復活の時。砂が集まってるし、やっと俺の時代が来たんだ!
丁度、朝日も昇り始め、山の裾を明るく照らしている。

「ふっ、俺の復活を朝日も祝福してギャアアアアアア!!か、体が崩れるううぅぅ!?」

足の先から砂に変わってきた! なぜだ!

『おっと、一つ言い忘れてたぜ! 少年は朝日に当たっても砂になるからな! 不死者の基本だろ?』

そうゆう事は早く言ってくれ。俺の絶望感が半端じゃないぞ。
……自分の冷静さがとても嫌になる。もうスプラッタやらには慣れましたってか。

――そして、俺の体は砂になった。



陽が沈む。ほとんどの生き物が眠りに着く夜の訪れだ。
そして、ある少年にとっての楽園である。

「――俺復活ッ!! 俺復活ッ!! 俺復活ッ!! 俺復活ッ!! 」

目を開けると同時に、そんな事をハイテンションに喚きだす。
辺りの木から、動物が羽ばたき去っていく音がした。安眠を阻害され、なんとも傍迷惑な事だろう。

「くくく、とうとう夜が来た。俺の時代の到来だー!!」

そう叫ぶ彼の姿は、ある神に似ていた。
本人に言えば、とてつもなく否定するであろうが。

「よぉし、先ずは赤ん坊の基本移動手段、ハイハイだ!」

彼は手で地面を押し、体を起こそうとしたが――無理だった。
当然である。生まれたばかりの乳幼児が、いきなりハイハイなど不可能なのだから。

「クソがッ!!」

憤りを抑えきれず、彼は拳を固めて、地面に叩きつけた。
――瞬間、ペキッと何かが固いものが割れるような音が響く。

「お、俺の左手がああぁぁぁぁ!?」

そう、彼の拳である。
まあ、当然と言えよう。成熟していない子供の骨と同等の強度であるからして、地面に叩きつけて無事で済む訳がない。

「なんという脆弱さ。これは流石の俺も諦めざるを得ない」

そうは言ったものの、移動が出来ずにどうして食料が確保出来よう。
なんとか打開策を見つけようとして、閃いた。

「……そうか、力を入れられないなら、転がればいいじゃないか!」

なんと素晴らしい案なんだ、やはり俺に不可能は無かった!
そう叫びながら右に左に転がる十代後半の少年の姿は、例えようもない程に奇妙で、シュールだった。
と、力加減を間違えたのか、勢い良く転がっていき、木に軽く足をぶつけた。
――当然、彼の足はメキッと木の枝を折ったような音鳴らして砕けた。

「クソッ! 力加減を間違えた!!」

足の骨が折れても動揺しない辺り、彼も慣れてきているようである。

「だが、俺は挫けないぞ……いつか、この足で、大地を踏みしめるまでは!!」

またも叫び、長々と気合を発しながら転がり始める。
こうして、彼の長い夜は更けていく――――。






三人称視点の練習! は良いんだけど、どうにも回りくどくなった。
まだまだ俺に三人称視点は早かったか……。

早速のご感想、ありがとうございます!
直樹様が仰られるように、ロリババァと関わると、どうにもテンプレ過ぎると言うか、セオリー通りと言うか……展開が絞られてしまうんですよね。
ですので、この貧弱な頭を振り絞って、オリジナル展開を考えてみます。

他の方々も、ご感想ありがとうございます!
これからも気になった点や、至らぬ点など、ご指摘ください。


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