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蔵書をバラしてPDFに 「自力で電子書籍」派、増える(1/2ページ)

2010年7月18日18時1分

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写真:裁断機(右手前)で背表紙を切って、スキャナーで取り込み、iPadなどで持ち歩く磯崎哲也さん=東京都渋谷区、千葉写す裁断機(右手前)で背表紙を切って、スキャナーで取り込み、iPadなどで持ち歩く磯崎哲也さん=東京都渋谷区、千葉写す

 本やコミックの背表紙を切り落とし、全ページをスキャナーで読み込んで自家製の電子書籍を作る人が増えている。新型情報端末iPad(アイパッド)など、電子書籍を読める機器の登場が追い風になり、裁断機やスキャナーの売り上げも伸びている。

 大阪府豊中市の会社員の男性(24)は6月から、持っている本や雑誌の「電子化」を始めた。背表紙を大型の裁断機で切り、バラバラになった本をスキャナーにセット。1冊数分で自動読み取りが完了し、PDF形式で保存する。「作業は予想以上に簡単」という。

 蔵書は増え続け、部屋を占拠してしまうのは時間の問題だった。裁断機とスキャナーで7万円近くかかったが、「出張時に何冊分もの本を持ち歩けるし、パソコンで処理すれば全文を検索でき、知りたいことが書かれているページにすぐたどり着ける」とメリットを挙げる。

 東京都の公認会計士磯崎哲也さん(48)も、自前の電子書籍をiPadに収めて持ち歩く。「実際に作業してみると楽で驚いた」。作り方をブログで紹介し、反響があったという。

 日本でも電子書籍端末は普及しつつあるが、出版社の電子書籍ビジネスへの本格的な進出は始まったばかり。電子化は著作権法上の「複製」にあたるが、個人的な読書など「私的使用」のためであれば問題ない。マンガ本などを電子化する人は前からいたが、端末の登場でより多くの人が興味を持ったとみられる。

 「自作に最適」と紹介されたスキャナーは、今春の販売数が前年同時期に比べて3割以上伸び、発売以来累計で100万台を売るヒット商品に。定価で5万円以上する裁断機も好調で、取り扱う文房具メーカーのプラス(本社・東京)は、「元々業務用だったが、電子書籍が注目され、個人の需要が増えた」。

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