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「本当に無念」と涙…民間種牛6頭が殺処分
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16日、宮崎県庁での記者会見で、所有する種牛「勝気高」の写真を手にする薦田長久さん
Photo By 共同 |
口蹄疫問題で宮崎県は17日、口蹄疫対策特別措置法に基づき、高鍋町の農場経営薦田長久さん(72)が飼育する民間種牛6頭の殺処分を終了した。薦田さんは感染多発地域で最後まで殺処分を拒んできたが、16日に受け入れた。口蹄疫の発生が同県で確認されてから約3カ月、必死に守ってきた6頭が処分され、「本当に無念」と涙を流した。
薦田さんの農場には午前9時すぎ、白い防護服姿の作業員が到着し、同10時半、最初の牛を載せたトラックが出発。薦田さんは作業員に「一緒に埋めてほしい」と花束やお酒を渡し、妻勝子さんら家族や農業関係者と見送った。
種牛は2頭ずつ順番にトラックに載せられ、約5キロ先にある農協所有の埋却地へ移動させた上で殺処分した。同所には既に約1万頭の牛や豚が眠る。家族によると、6頭の中で最も優秀な「勝気高(かつけだか)」の名前の由来となり、牛を一番かわいがっていた勝子さんはトラックに手を差し伸べながら泣き崩れ、薦田さんも搬出をじっと見守っていたという。
口蹄疫の発生が宮崎県で確認されて約3カ月。薦田さんは、昼夜を問わず、徹底した消毒で6頭を守り続けてきたが、「命を守ってやれなくて残念。本当に無念だ」と肩を落とした。
畜産に携わって50年以上。政府と県が5月に実施したワクチン接種に同意せず、「種牛は公共性が高い」と保護を求めていた。県は当初、薦田さんに殺処分を勧告。その後、東国原英夫知事は「公共性が認められる」と県有化した上での特例救済を国に求めたが、農林水産省は拒否。問題が長引けば制限区域解除に影響が出るため、薦田さんが「県民に迷惑を掛けられない」と16日に殺処分受け入れを表明した。
しかし、今も殺処分には納得していない。特別措置法に基づく殺処分を主張した国への釈然としない思いを胸に、種牛たちには農場から運び出される前に、「正しく法律が使われる世の中にしたい。そのために犠牲となるおまえたちを誇りに思う」と言葉をかけたという。
現地対策本部の篠原孝農林水産副大臣は農場を訪問して薦田さんと面会した後、記者団に「殺処分となってしまい、おわびした」と話した。薦田さんは目に涙を浮かべながら、「種牛の死が無駄じゃなかったと言えるようにしたい」と語った。
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